犬の皮膚炎にクロルヘキシジンは効果的?正しい使い方と注意点を解説
2025年12月07日カテゴリ|コラム
犬の皮膚炎にクロルヘキシジンは効果的?正しい使い方と注意点を解説

犬の皮膚炎の治療は、自宅での投薬やシャンプーが中心です。
「治療しても皮膚炎を繰り返す」
「赤みがなかなか治らない」
「シャンプーしても改善しない」
そんな愛犬の皮膚炎に悩む方も多いのではないでしょうか。
実は、犬の皮膚の炎症や感染に対してクロルヘキシジンという成分が有効な場合があります。
この記事では、クロルヘキシジンの効果や犬の皮膚炎への使い方についてわかりやすく解説します。
最後までお読みいただき、正しいクロルヘキシジンの使い方を理解しましょう。
クロルヘキシジンの効果
クロルヘキシジンは医療用の消毒薬で、人では手指の消毒や手術器具の殺菌などに使われています。
広い範囲の細菌に作用し、特に犬の膿皮症の原因となるグラム陽性菌(ブドウ球菌など)や真菌(マラセチアなど)にも効果があります。
クロルヘキシジンは殺菌作用が持続しやすく、じわじわと成分を放ち続ける特徴があります。
犬にも比較的安全に使えるので、クロルヘキシジンは犬の皮膚炎の治療として消毒液やシャンプーとしてよく使われています。
クロルヘキシジンが使われる犬の皮膚炎
クロルヘキシジンは、
- 膿皮症
- アトピー性皮膚炎
- マラセチア皮膚炎
という皮膚炎で使われます。
また、治療だけではなく日頃の皮膚炎の予防として、定期的なシャンプーに使われることもあります。
クロルヘキシジンを含むシャンプーや消毒液の使い方
犬の皮膚炎の治療にクロルヘキシジンを取り入れる方法としては、主に2つあります。
それぞれ詳しく解説します。
薬用シャンプー
クロルヘキシジンを含む薬用シャンプーは、皮膚全体を洗浄しながら細菌の増殖を抑えることができるシャンプーです。
定期的に使用することで、愛犬の皮膚の清潔さを保つことができます。
シャンプーする際は5〜10分ほど泡を皮膚にとどめてから洗い流すと、クロルヘキシジンがしっかり浸透します。
また、シャンプーの頻度は週1〜2回程度が一般的です。
しかし、犬の皮膚の状態によりシャンプーの使い方も変わります。
シャンプーの濃度や頻度が高すぎると逆に皮膚炎を悪化させるので、必ず動物病院で指示された製品や頻度を守りましょう。
消毒液
皮膚の一部に感染や傷がある場合にも、クロルヘキシジンを含む消毒液が処方されることがあります。
コットンやガーゼに消毒液を含ませて、皮膚に直接塗布するのが一般的な使い方です。
この場合も濃度や頻度が高すぎると逆に皮膚炎を悪化させるので、必ず動物病院で指示された濃度や頻度を守りましょう。
クロルヘキシジン使用時の注意点
クロルヘキシジンはさまざまな使い方がある便利な成分ですが、使い方を誤ると皮膚トラブルを悪化させる可能性があります。
クロルヘキシジンを使用する時には、次の点に注意しましょう。
- 高濃度で使用しない
- 膣や耳などには使用しない
- シャンプー後はしっかり洗い流す
- 異常が見られたらすぐに使用を中止する
人において高濃度で使用した時に、アレルギー反応の発生が報告されています。
そのため、深い傷には約0.05%、外陰部などのデリケートな部分には約0.02%の低濃度で使うことが多いです。
また、皮膚のダメージや乾燥が強い時には、皮膚の刺激になってしまう可能性があるので、使う前は動物病院に確認しましょう。
クロルヘキシジン以外の治療法
犬の皮膚炎の治療には、クロルヘキシジンの他にもさまざまな方法があります。
具体的には、
- 抗菌薬
- 消炎剤
- サプリメント
- 保湿ケア
- 療法食
などがあります。
もし愛犬の皮膚炎が治りにくいときは、皮膚科での診察を行うと新しい治療が見つかるかもしれません。
小さな異変でも、気づいたときには早めに受診しましょう。
まとめ
犬の皮膚炎は慢性化しやすく、長期間治療を継続しなければならないケースがあります。
そんなときにクロルヘキシジンは、皮膚炎の改善や再発防止に役立ちます。
ただし、濃度や使用頻度を誤ると皮膚炎を悪化させる可能性があるため、必ず獣医師の診察を受けて使用しましょう。
当院は皮膚の診察に力を入れています。
愛犬の皮膚炎が治りにくかったり、クロルヘキシジンの使い方に迷ったりした際は、いつでもご相談ください。
松井山手・八幡・枚方・長尾の動物病院
松井山手動物病院



