心臓病の犬は疲れやすい?|心臓病で犬が疲れやすくなる理由とサインについて解説
2026年03月07日カテゴリ|コラム
「最近、犬が散歩に行きたがらなくなった」
「少し歩いただけで座り込む」
「前よりも寝ている時間が増えた気がする」
このような変化を感じたとき、「年齢のせいかな?」と思う飼い主様は多いかもしれません。
犬が疲れやすい状態の背景には、心臓病が隠れていることがあります。
犬の心臓病は早い段階では分かりにくく、「疲れやすい」「元気がない」といった曖昧な変化から始まることが多い病気です。
今回は犬の心臓病と疲れやすさの関係について、分かりやすく解説します。
愛犬の元気に異変を感じた際に、参考にしていただければ幸いです。
犬の心臓病について
心臓は全身に血液を送り出す重要な臓器です。
心臓の働きが低下すると、体に十分な酸素や栄養を届けることができなくなります。
この働きが低下した状態を総称したものを「心臓病」と呼びます。
代表的な犬の心臓病は以下の通りです。
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 拡張型心筋症
- 肺高血圧症
- フィラリア症
とくに小型犬では僧帽弁閉鎖不全症が非常に多く、中高齢になるにつれて発症リスクが高まります。
犬の心臓病は進行すると、安静にしていても体に負荷がかかる状態になり、犬の活動性が減っていきます。
心臓病は一度発症すると完治が難しい病気ですが、早期に発見し、適切な治療と管理を行うことで生活の質を保つことが可能です。
心臓病の犬が疲れやすくなる理由
心臓病の犬が疲れやすくなる理由に「全身の酸素不足」と「心臓への負担」が挙げられます。
それぞれについて解説していきます。
全身の酸素不足
犬の心臓の働きが弱くなると、
- 少し動いただけで息が上がる
- 筋肉に十分な酸素が届かない
- 回復に時間がかかる
といった状態になります。
その結果、
- 散歩を嫌がる
- 途中で立ち止まる
- 遊びたがらなくなる
など、「犬が疲れやすい」と感じる行動が増えていきます。
犬自身は苦しさを隠そうとするため、気づいたときには心臓病が進行していることが多いです。
心臓への負担
運動をすると心拍数が上がり、心臓にはより大きな負担がかかります。
心臓病がある犬では、その負担に耐えられず、自然と動きを控えるようになります。
疲れやすさは、心臓からの「これ以上はきついよ」というサインなのです。
心臓病で犬が疲れやすくなっているときのサイン
犬の心臓病により「疲れやすさ」が出てくると、行動や様子に少しずつ変化が現れます。
ただし、犬は本能的に体調不良を隠そうとするため、はっきりした症状が出る前の小さな変化に気づくことが大切です。
心臓病で犬が疲れやすくなっているときには、次のようなサインが見られることがあります。
- 散歩の途中で立ち止まることが増える
- 以前より歩くスピードが遅くなる
- 少し動いただけで息が荒くなる
- 帰宅後、すぐに横になって休もうとする
- 遊びや来客への反応が鈍くなる
これらは、心臓が十分な血液を送り出せず、全身に必要な酸素が行き渡りにくくなっている状態です。
さらに進行すると、
- 寝ている時間が明らかに増える
- 食事中や興奮時に息切れを起こす
- 抱っこや体位変換で嫌がる
といった変化が見られることもあります。
「年を取ったから仕方ない」と思われがちな変化ですが、心臓病が関係している場合もあります。
犬の疲れやすさは、心臓病の悪化を知らせるサインのひとつです。
日常の中で「以前と比べて何か違う」と感じたときには、早めに動物病院を受診しましょう。
心臓病の犬の「疲れやすさ」と他の病気との違い
犬が疲れやすい原因は心臓病以外にも、
- 関節疾患
- 内分泌疾患
- 加齢
などさまざまです。
心臓病による犬の疲れやすさには以下のような特徴があります。
- 動いた直後に息が荒くなる
- 休むと一時的に回復するが、再び動くとすぐ疲れる
- 暑さや興奮で一気に疲れが強くなる
関節の病気では犬が「足をかばう」「痛がる」という動作が目立ちやすく、疲れやすさの出方が異なります。
犬の疲れやすさが心臓病によるものかどうかを見極めるには、こうした行動の違いを観察することが大切です。
犬が疲れやすいと感じたときの受診目安
次のような場合は、早めに動物病院で相談することをおすすめします。
- 散歩の距離が明らかに短くなる
- 以前より寝ている時間が増える
- 呼吸が苦しそうに見える
- 咳の頻度が増える
心臓病は早期発見がその後の生活に大きく影響する病気です。
症状が軽いうちに診断できれば、進行を遅らせる治療が可能になります。
心臓病で疲れやすい犬に自宅でできること
心臓病によって犬が疲れやすくなっているとき、日常生活での過ごし方は病気の進行や生活の質に大きく影響します。
心臓病の治療は動物病院で行うものですが、毎日を一緒に過ごす飼い主様との関わりはとても重要です。
愛犬が心臓病で疲れやすくなったときに自宅でできることをいくつか紹介します。
無理をさせない
散歩は「行けるところまで行く」ではなく、「余裕があるうちに切り上げる」ことを意識しましょう。
犬が途中で立ち止まったり、歩くスピードが落ちた場合は、疲れのサインと考えて早めに帰宅することが大切です。
暑い時期や寒暖差の大きい時間帯は犬の心臓に負担がかかりやすいため、散歩の時間帯にも配慮しましょう。
安静に休める環境作り
静かで落ち着いた場所にベッドを用意し、犬が興奮しやすい刺激をできるだけ減らしてあげましょう。
来客や大きな音で犬が興奮すると、心拍数や呼吸数が一気に上がり、疲労につながることがあります。
日々の体調チェック
愛犬の異変にいち早く気づくために、
- 安静時の呼吸数
- 食欲や元気の変化
- 疲れやすさの程度
などを定期的に確認しましょう。
「昨日より疲れやすい」「散歩の距離がさらに短くなった」といった小さな変化は、受診時の重要な情報になります。
指示された薬の継続
薬を処方されている場合は、指示された通りに正しく続けることも欠かせません。
自己判断での中断や量の調整は、犬の心臓病の症状を急激に悪化させる可能性があります。
犬が薬を飲みにくそうな場合は、投薬方法について動物病院に相談してみましょう。
まとめ
犬の「疲れやすい」という変化は、心臓病の初期サインであることがあります。
- 年齢のせいと決めつけない
- 日常の小さな変化に気づく
- 定期的な健康チェックを受ける
これらが、愛犬の心臓を守るためにとても大切です。
当院では、犬の心臓病を含む循環器診療に力を入れています。
「最近、犬が疲れやすい気がする」「心臓病が心配」という場合は、気軽に当院へお越しください。
松井山手・八幡・枚方・長尾の動物病院
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