
画像診断とは
動物は言葉で症状を訴えることができないため、「どこに問題があるのか」「体の中で何が起きているのか」を把握することが診療の第一歩となります。その中で重要な役割を果たすのが 画像診断 です。画像診断だけで確定診断を行うことは困難ですが、レントゲンや超音波を使って体内を可視化することで、病気の原因や進行状況を明らかにし、正確な診断へのサポートと最適な治療方針の決定につなげます。松井山手動物病院では 画像診断認定医が在籍 し、専門的な知識と技術をもとに診断を行っています。
当院で導入している機器
デジタルレントゲン(DR)
当院ではデジタルレントゲン(DR)を導入しています。撮影した画像をすぐにモニターに表示できるため、結果をその場で確認でき、動物の待ち時間や負担を大きく減らすことができます。また、高解像度の画像が得られることで診断精度を上げることが可能となります。これまでのレントゲン(CR方式)は、一度撮影したあとに専用の機械で読み込む必要があり、確認までに時間がかかっていました。デジタルレントゲンではその工程が不要で、より短時間で鮮明な画像を得ることができます。
さらに、従来のものに比べて被ばく量が少ないため、安全性の面でも安心です。
デジタルレントゲンは、心臓や肺といった臓器の状態の確認、骨折や関節の異常、誤食の疑いがあるときのお腹の検査など、幅広い場面で活用しています。病気やケガを早期に見つけ、最適な治療方針を立てるために欠かせない検査機器です。
超音波エコー検査
- ・心臓、肝臓、腎臓、膀胱、消化管など多くの臓器を観察可能
- ・リアルタイムで動きや血流を評価できる
- ・レントゲンと組み合わせることで、より詳細に臓器を評価することができる
- ・放射線被ばくがなく、動物への負担が少ない
特に心臓病や腫瘍、尿路疾患などの診断に有効であり、繰り返し検査を行うことで 病気の経過観察や治療効果の判定 にも役立ちます。当院で使用する超音波エコー装置は、人の大学病院でも使用される高性能な医療機器で、他の機器に比べより詳細に各臓器を評価できます。
画像診断のメリット
- ・体の中を直接見ることができる 外からは分からない病気の存在や進行度を確認できます。
- ・動物への負担が少ない 多くの検査は麻酔を必要とせず、短時間で終了できます。
- ・早期発見に貢献 症状が出る前に病気を見つけることが可能です。
- ・治療方針の決定に直結 内科治療・外科手術いずれにおいても、診断の精度が治療の質を左右します。
画像診断科の役割
当院の画像診断科は、一般診療科と密接に連携しながら診療を行っています。たとえば「内科」「腫瘍科」「歯科」など、各科の治療方針を決定するために、画像診断は欠かせない存在です。「正確な診断なくして、適切な治療はできない」その信念のもと、動物とご家族にとって最良の医療を提供できるよう、画像診断に力を入れています。
飼い主さまへ
動物の不調は見た目だけでは判断できないことが多くあります。「なんとなく元気がない」「食欲が落ちている」「歯が痛そう」などの小さな変化も、体の中で病気が進行しているサインかもしれません。当院では、最新の画像診断機器と認定医による専門的な診断で、動物たちの健康を守るお手伝いをいたします。