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松井山手動物病院

コラム

心臓病の犬は疲れやすい?|心臓病で犬が疲れやすくなる理由とサインについて解説

2026年03月07日カテゴリ|コラム

「最近、犬が散歩に行きたがらなくなった」
「少し歩いただけで座り込む」
「前よりも寝ている時間が増えた気がする」
このような変化を感じたとき、「年齢のせいかな?」と思う飼い主様は多いかもしれません。
犬が疲れやすい状態の背景には、心臓病が隠れていることがあります。
犬の心臓病は早い段階では分かりにくく、「疲れやすい」「元気がない」といった曖昧な変化から始まることが多い病気です。

今回は犬の心臓病と疲れやすさの関係について、分かりやすく解説します。
愛犬の元気に異変を感じた際に、参考にしていただければ幸いです。

仲がいいチワワ

犬の心臓病について

心臓は全身に血液を送り出す重要な臓器です。

心臓の働きが低下すると、体に十分な酸素や栄養を届けることができなくなります。
この働きが低下した状態を総称したものを「心臓病」と呼びます。

代表的な犬の心臓病は以下の通りです。

  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 拡張型心筋症
  • 肺高血圧症
  • フィラリア症

とくに小型犬では僧帽弁閉鎖不全症が非常に多く、中高齢になるにつれて発症リスクが高まります。
犬の心臓病は進行すると、安静にしていても体に負荷がかかる状態になり、犬の活動性が減っていきます。

心臓病は一度発症すると完治が難しい病気ですが、早期に発見し、適切な治療と管理を行うことで生活の質を保つことが可能です。

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心臓病の犬が疲れやすくなる理由

心臓病の犬が疲れやすくなる理由に「全身の酸素不足」と「心臓への負担」が挙げられます。
それぞれについて解説していきます。

全身の酸素不足

犬の心臓の働きが弱くなると、

  • 少し動いただけで息が上がる
  • 筋肉に十分な酸素が届かない
  • 回復に時間がかかる

といった状態になります。

その結果、

  • 散歩を嫌がる
  • 途中で立ち止まる
  • 遊びたがらなくなる

など、「犬が疲れやすい」と感じる行動が増えていきます。
犬自身は苦しさを隠そうとするため、気づいたときには心臓病が進行していることが多いです。

心臓への負担

運動をすると心拍数が上がり、心臓にはより大きな負担がかかります。
心臓病がある犬では、その負担に耐えられず、自然と動きを控えるようになります。
疲れやすさは、心臓からの「これ以上はきついよ」というサインなのです。

心臓病で犬が疲れやすくなっているときのサイン

犬の心臓病により「疲れやすさ」が出てくると、行動や様子に少しずつ変化が現れます。
ただし、犬は本能的に体調不良を隠そうとするため、はっきりした症状が出る前の小さな変化に気づくことが大切です。

心臓病で犬が疲れやすくなっているときには、次のようなサインが見られることがあります。

  • 散歩の途中で立ち止まることが増える
  • 以前より歩くスピードが遅くなる
  • 少し動いただけで息が荒くなる
  • 帰宅後、すぐに横になって休もうとする
  • 遊びや来客への反応が鈍くなる

これらは、心臓が十分な血液を送り出せず、全身に必要な酸素が行き渡りにくくなっている状態です。

さらに進行すると、

  • 寝ている時間が明らかに増える
  • 食事中や興奮時に息切れを起こす
  • 抱っこや体位変換で嫌がる

といった変化が見られることもあります。
「年を取ったから仕方ない」と思われがちな変化ですが、心臓病が関係している場合もあります。
犬の疲れやすさは、心臓病の悪化を知らせるサインのひとつです。

日常の中で「以前と比べて何か違う」と感じたときには、早めに動物病院を受診しましょう。

笑ってこちらを見ているチワワ

心臓病の犬の「疲れやすさ」と他の病気との違い

犬が疲れやすい原因は心臓病以外にも、

  • 関節疾患
  • 内分泌疾患
  • 加齢

などさまざまです。

心臓病による犬の疲れやすさには以下のような特徴があります。

  • 動いた直後に息が荒くなる
  • 休むと一時的に回復するが、再び動くとすぐ疲れる
  • 暑さや興奮で一気に疲れが強くなる

関節の病気では犬が「足をかばう」「痛がる」という動作が目立ちやすく、疲れやすさの出方が異なります。
犬の疲れやすさが心臓病によるものかどうかを見極めるには、こうした行動の違いを観察することが大切です。

犬が疲れやすいと感じたときの受診目安

次のような場合は、早めに動物病院で相談することをおすすめします。

  • 散歩の距離が明らかに短くなる
  • 以前より寝ている時間が増える
  • 呼吸が苦しそうに見える
  • 咳の頻度が増える

心臓病は早期発見がその後の生活に大きく影響する病気です。
症状が軽いうちに診断できれば、進行を遅らせる治療が可能になります。

心臓病で疲れやすい犬に自宅でできること

心臓病によって犬が疲れやすくなっているとき、日常生活での過ごし方は病気の進行や生活の質に大きく影響します。
心臓病の治療は動物病院で行うものですが、毎日を一緒に過ごす飼い主様との関わりはとても重要です。
愛犬が心臓病で疲れやすくなったときに自宅でできることをいくつか紹介します。

無理をさせない

散歩は「行けるところまで行く」ではなく、「余裕があるうちに切り上げる」ことを意識しましょう。
犬が途中で立ち止まったり、歩くスピードが落ちた場合は、疲れのサインと考えて早めに帰宅することが大切です。
暑い時期や寒暖差の大きい時間帯は犬の心臓に負担がかかりやすいため、散歩の時間帯にも配慮しましょう。

安静に休める環境作り

静かで落ち着いた場所にベッドを用意し、犬が興奮しやすい刺激をできるだけ減らしてあげましょう。
来客や大きな音で犬が興奮すると、心拍数や呼吸数が一気に上がり、疲労につながることがあります。

日々の体調チェック

愛犬の異変にいち早く気づくために、

  • 安静時の呼吸数
  • 食欲や元気の変化
  • 疲れやすさの程度

などを定期的に確認しましょう。
「昨日より疲れやすい」「散歩の距離がさらに短くなった」といった小さな変化は、受診時の重要な情報になります。

指示された薬の継続

薬を処方されている場合は、指示された通りに正しく続けることも欠かせません。
自己判断での中断や量の調整は、犬の心臓病の症状を急激に悪化させる可能性があります。
犬が薬を飲みにくそうな場合は、投薬方法について動物病院に相談してみましょう。

走っているパピヨン

まとめ

犬の「疲れやすい」という変化は、心臓病の初期サインであることがあります。

  • 年齢のせいと決めつけない
  • 日常の小さな変化に気づく
  • 定期的な健康チェックを受ける

これらが、愛犬の心臓を守るためにとても大切です。

当院では、犬の心臓病を含む循環器診療に力を入れています。
「最近、犬が疲れやすい気がする」「心臓病が心配」という場合は、気軽に当院へお越しください。

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猫の毛が抜けるのは病気?|猫の毛が抜ける原因と受診の目安について解説

2026年02月28日カテゴリ|コラム

「最近、猫の毛がごっそり抜けている」
「左右対称に毛が薄くなってきた」
「舐めているところだけ毛がなくなっている」

猫はもともと毛がよく抜ける動物ですが、明らかに毛が薄くなっている・地肌が見える場合は、病気が隠れていることもあります。
とくに猫は体調不良を隠す傾向が強いため、「毛が抜ける」という変化は分かりやすい病気のサインかもしれません。

今回は、猫の毛が抜けたときの

  • 生理的な換毛との違い
  • 病的な脱毛の原因
  • 飼い主様が気づきたいポイント
  • 自宅でできるケア

について、できるだけ分かりやすく解説します。
「猫の毛がすごく抜ける」と感じた際に参考にしていただければ幸いです。

毛繕いの態勢をとる三毛猫

「猫の毛が抜けた」は普通?異常?

猫の毛は体の正常な機能として抜ける場合と体の異常によって抜ける場合があります。
猫の毛が抜ける原因には「生理的な換毛」と「病的な脱毛」に分けられます。

生理的な換毛

生理的な換毛とは、季節の変化に合わせて毛が生えかわる自然な現象のことです。
生理的な換毛では、

  • 全体的に毛が抜ける
  • 地肌が見えない
  • かゆみや赤みが見られない

といった特徴があります。
とくに春や秋は毛が抜け替わる時期として「換毛期」と呼ばれます。

病的な脱毛

病的な脱毛とは、病気が原因で毛が抜けてしまっている状態です。
病的な脱毛では、

  • 部分的な脱毛
  • 左右対称の薄毛
  • 皮膚の舐め壊し

といった特徴があります。
このような様子が見られた場合は、病的な脱毛の可能性が高いので早めに動物病院を受診しましょう。

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猫の毛が抜けたときの病的な原因

猫の脱毛にはさまざまな原因があり、一つだけでなく複数の要因が重なっていることもあります。
猫は皮膚の異常を強く訴えないため、「毛が抜ける」という変化は体からの大切なサインです。
猫の毛が抜ける代表的な病気について詳しく解説します。

グルーミング過多

猫の脱毛で最も多くみられる原因が、グルーミング過多です。
猫は本来、毛づくろいをとても大切にする動物ですが、ストレスや違和感があると同じ場所を執拗に舐め続けることで脱毛することがあります。
とくに脱毛が起こりやすい部位は

  • お腹
  • 内もも
  • 前肢
  • 脇腹

などで、左右対称に毛が薄くなることが多いのが特徴です。
皮膚自体には赤みや発疹がほとんど見られず、「ただ毛がなくなっているだけ」に見える場合もあります。

グルーミング過多の背景には、

  • 環境の変化(引っ越し、模様替え)
  • 家族構成の変化(赤ちゃん、多頭飼育)
  • 騒音や来客
  • 運動不足や刺激の不足

など、飼い主様が気づきにくいストレスが関係していることがあります。
皮膚や体の違和感を和らげるために舐め続けているケースもあり、原因の見極めが重要です。

アレルギー性皮膚炎

猫でもアレルギーが原因で脱毛が起こることがあります。
アレルギー性皮膚炎とは、食物アレルギーや環境アレルゲンに反応し、皮膚に炎症が起こる病気です。

猫のアレルギー性皮膚炎の特徴は、

  • 強いかゆみが分かりにくい
  • 皮膚病変が目立たない
  • 脱毛が主な症状になる

などが挙げられます。

猫のアレルギー性皮膚炎は舐めることで毛が抜けて初めて飼い主様が気づくことも多いです。
猫では粟粒性皮膚炎や好酸球性肉芽腫群といった、アレルギーに関連した皮膚病変が見られることもあります。

ノミ・ダニなどの外部寄生虫

ノミやダニによる刺激も猫の脱毛の原因の一つです。
とくにノミアレルギーでは、ノミが少数でも強い反応を示し、背中や首周りを中心に毛が抜けることがあります。

完全室内飼育の猫でも、

  • 人の衣服
  • 来客
  • 荷物

などを介して侵入することがあり、「外に出ないから大丈夫」とは言い切れません。
ノミ・ダニは、予防によって防げる脱毛原因の一つです。
定期的なノミ・ダニ予防は皮膚トラブル全体のリスクを下げることにつながります。

皮膚糸状菌症

皮膚糸状菌症はカビの一種による感染症で、猫の脱毛原因としてとても重要です。

猫の皮膚糸状菌症は

  • 円形の脱毛
  • フケ
  • 軽度の皮膚の赤み

などが見られ、子猫や高齢猫のような免疫力が低下している猫で多く発症します。

皮膚糸状菌症は人に感染する可能性があるため、早期診断と適切な治療が必要です。
見た目が軽症でも、放置すると感染が広がることがあります。

痛みや内臓の不調による脱毛

猫では、皮膚自体に異常がなくても、

  • 関節の痛み
  • 腹部の不快感
  • 泌尿器疾患

などが原因で特定の部位を舐め続けて脱毛することがあります。

この場合、皮膚検査では異常が見つからないことが多いです。
脱毛の部位と体の内部の問題が一致することもあるため全身の評価が重要です。

内分泌疾患・慢性疾患

猫では内分泌疾患や慢性疾患が原因で脱毛が起こることがあります。
これらの代表的な病気として甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病などが挙げられます。

猫の甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病では、

  • 毛並みが悪くなる
  • 被毛がパサつく
  • 抜け毛が増える

といった変化が見られることがあります。

このような場合、皮膚だけを治療しても改善しないため、血液検査などによる全身評価が必要です。

複数の原因が重なっているケース

猫の脱毛は、

  • ストレス+アレルギー
  • アレルギー+感染
  • 痛み+グルーミング過多

など、複数の要因が重なっていることもあります。

「毛が抜ける=皮膚病」と決めつけず、猫の生活環境や体調全体を見て判断することが大切です。

テーブルで横になっているキジトラネコ

猫の毛が抜けたときに動物病院を受診すべきサイン

猫の毛が抜けたときに病院を受診すべきなのか迷いますよね。

以下のようなサインが見られる場合には、とくに猫の体に異常が起きている可能性があります。

  • 地肌がはっきり見える
  • 同じ場所ばかり抜ける
  • 赤み・かさぶたがある
  • 毛が抜けた範囲が広がっている

このような場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

猫の毛が抜けたときに飼い主様が自宅でできること

猫の毛が抜けた原因を特定するには、「どのような経過で毛が抜けたのか」が重要です。

猫の毛が抜けたときに飼い主様が自宅でできることをいくつか紹介します。

  • 抜けている部位と範囲を記録する
  • 舐めている頻度を観察する
  • 環境の変化を振り返る
  • ノミ・ダニ予防を継続する

無理にシャンプーをしたり、市販薬を使う前に動物病院を受診しましょう。

開いた本の上に載っている子猫

まとめ

猫の毛が抜ける原因は、生理的な換毛から病的な脱毛までさまざまです。
とくに猫では、「毛が抜ける」ことが体調不良のサインになることもあります。
「猫の抜け毛が増えた」というサインを見逃さないように、日々の猫の様子をチェックしましょう。

当院では猫の脱毛を含む皮膚科診療に力を入れています。
「猫の毛が抜けた」「こんなに毛が抜けて大丈夫なのか心配」という場合には、ぜひ当院に一度ご相談してください。

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犬の皮膚がかゆい?|犬の皮膚がかゆいときのサインや原因について解説

2026年02月21日カテゴリ|コラム

「最近、犬が体をよくかいている」
「お腹や耳、足先の皮膚が赤い」
「舐めすぎて毛が薄くなってきた」
このような様子を見て、「病院に連れて行った方が良いのかな?」と迷うことがあると思います。
「犬の皮膚がかゆい」という理由で動物病院に来院される飼い主様はとても多いです。
同じ「皮膚がかゆい」でも原因が同じとは限りません。
犬の皮膚のかゆみの治療は原因によって大きく異なります。

今回は、犬の皮膚がかゆいときの

  • サイン
  • 原因
  • 自宅でできるケア

について、できるだけ分かりやすく解説します。
愛犬の皮膚に異変を感じた際に参考にしていただければ幸いです。

パグの横顔

犬の皮膚がかゆいときのサイン

犬は「かゆい」「不快だ」と言葉で伝えることができません。
そのため、犬の皮膚のかゆみは行動や見た目の変化として現れます。

以下のようなサインが見られる場合、犬の皮膚にトラブルが起きている可能性があります。

  • 体を頻繁に掻く
  • 足先や脇、内股、肛門周りをしつこく舐める・噛む
  • 体を床や壁、家具にこすりつける
  • 毛が薄くなってきた
  • 皮膚が赤い、ベタついている

これらはすべて、犬の皮膚がかゆいときのサインです。
とくに「毎日同じ場所を掻いている」「舐める行動が止まらない」といった場合は、皮膚炎が慢性化している可能性があります。
犬によっては強く掻かずに舐め続けるだけというケースもあります。

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犬の皮膚がかゆいときの主な原因

犬の皮膚のかゆみはさまざまな原因で引き起こされます。
犬の皮膚がかゆいときの代表的な原因について解説していきます。

アトピー性皮膚炎

犬の皮膚にかゆみを引き起こす原因としてよく知られているのが、アトピー性皮膚炎です。
犬のアトピー性皮膚炎は、

  • ハウスダスト
  • 花粉
  • カビ
  • ダニ

などの環境中の物質に対して過剰に反応することで犬の皮膚に炎症が起こります。
犬のアトピー性皮膚炎には以下のような特徴があります。

  • 若い頃から症状が出やすい
  • 季節によって悪化・改善を繰り返す場合がある
  • 赤い・かゆい場所が顔、耳、脇、内股、足先に限定的

犬が皮膚を舐めたり掻いたりすることで皮膚のバリア機能が壊れると、細菌感染などを併発しやすいことも特徴です。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、特定の食物に反応して皮膚炎を引き起こす病気です。
食物アレルギーには、

  • 顔、耳、脇、内股、足先をかゆがる
  • 1年中症状が続くことがある
  • 下痢や嘔吐などの消化器症状も見られることがある

という特徴があります。
アトピー性皮膚炎と同様に、皮膚のバリア機能が壊れると細菌感染などを併発することがあります。

膿皮症

犬の膿皮症は皮膚のバリア機能が弱くなることで常在菌である細菌が増殖し、皮膚炎を引き起こす病気です。
犬の膿皮症では、

  • 赤いブツブツ
  • かさぶた
  • フケ
  • 円形状の脱毛

などが見られます。
アトピー性皮膚炎やホルモン疾患により皮膚のバリア機能が低下することで、二次的に膿皮症が起こることもあります。
抗生剤治療で改善することもありますが、根本原因が解決されないと再発を繰り返しやすいです。
膿皮症は他に原因となる病気がないか確認する必要があります。

マラセチア性皮膚炎

犬のマラセチア性皮膚炎は真菌と呼ばれるマラセチアが増えることで起こる病気です。
皮脂が多い部位や湿気が篭りやすい場所で起こりやすく、

  • 指の間
  • 口の周り

などに症状が見られます。
犬のマラセチア性皮膚炎は、

  • 脂っぽい皮膚で起こりやすい
  • 独特な酸っぱいにおい
  • 強いかゆみ

といった特徴があり、飼い主様が異変に気付きやすい皮膚炎の一つです。
マラセチア性皮膚炎も単独で起きることは少なく、アトピー性皮膚炎やホルモン疾患が背景にあることが多いです。

ノミ・ダニなどの外部寄生虫

ノミやダニが原因で犬の皮膚に強いかゆみや赤みが出ることがあります。
とくにノミアレルギーでは、少数のノミでも激しくかゆがることがあります。
駆虫薬によって予防できる皮膚炎なので、ノミ・ダニ予防を通年で行うことを心がけましょう。

ホルモン疾患に伴う皮膚炎

甲状腺機能低下症やクッシング症候群などのホルモン疾患が原因で皮膚トラブルが起こることもあります。
ホルモン疾患による皮膚炎では、

  • 皮膚炎以外にも症状が見られる
  • かゆみが少ないのに脱毛が進む
  • 細菌感染を併発していることがある

などが特徴です。
皮膚以外にも「太ってきた」「疲れやすくなってきた」といった犬の体に変化が見られる場合にはホルモン疾患が背景にある可能性があります。
見た目だけでは皮膚病に見えても、血液検査などで全身状態を確認することが必要です。

原っぱにいる黒いフレンチブルドッグ

犬の皮膚にかゆい状態が続くとどうなる?

皮膚の皮膚にかゆい状態が続くと、

  • 掻き壊しによる傷
  • 細菌や真菌(カビ)の二次感染
  • さらにかゆみが悪化する
  • 慢性的な皮膚炎になる

といった悪循環に陥りやすいです。
「少しかゆそうかな?」と感じた段階で気づいてあげることが、重症化を防ぐためにはとても大切です。

犬の皮膚がかゆいときに自宅でできるケアと注意点

犬の皮膚がかゆいときの管理には、治療と同時に日常ケアも重要です。
飼い主様が自宅でできるケアについていくつか紹介します。

  • 獣医師の指示に従ったシャンプー・保湿
  • 過度な洗いすぎを避ける
  • 室内の清潔・湿度管理
  • ノミ・ダニ予防の継続

自己判断での薬の使用や頻回のシャンプーは、かえって皮膚を悪化させることもあります。
自宅でケアをする場合は、動物病院に一度相談しましょう。

原っぱにいるトイプードル

まとめ

犬の皮膚のかゆみはとても身近な症状ですが、原因によって治療方法は異なります。

  • なかなか治らない
  • 何度も繰り返す
  • 症状が悪化している

このような場合は、早めに動物病院で相談することが愛犬の皮膚を守る近道です。
犬の皮膚が「赤い」「かゆい」という小さなサインを見逃さないように日々の様子をチェックしましょう。

当院では犬の皮膚のかゆみを含む皮膚科診療に力を入れています。
「犬の皮膚がかゆい」「なかなか皮膚炎が治らない」という場合には、ぜひ当院に一度ご相談してください。

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犬の僧帽弁閉鎖不全症は進行する? |病気の進み方と悪化のサインを獣医師が解説

2026年02月14日カテゴリ|コラム

「僧帽弁閉鎖不全症と診断されたけれど、今は元気そう」
「この先、どのように進行していくのかが不安」
愛犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断され、このような気持ちを抱えている飼い主さんは多いのではないでしょうか。

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、時間とともに少しずつ進行していく心臓病です。
進行のスピードや症状の現れ方には犬の個体差があります。
犬の状態を適切に管理することで、犬が穏やかに過ごせる期間を長く保つことも可能です。

今回は、

  • 犬の僧帽弁閉鎖不全症がどのように進行していくのか
  • 犬の僧帽弁閉鎖不全症の進行時に見られるサイン

についてできるだけ分かりやすく解説します。
愛犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断されたときに、参考にしていただければ幸いです。

笑っている白いチワワ

犬の僧帽弁閉鎖不全症について

犬の心臓は

  • 右心房
  • 右心室
  • 左心房
  • 左心室

という、4つの部屋からできています。
血液はこれらの順番に部屋を通って、最終的に全身へ送り出されます。
それぞれの部屋の間には「弁」と呼ばれる扉があり、血液が逆流しないようにする役割があります。
このうち、左心房と左心室の間にある弁が「僧帽弁」です。
つまり僧帽弁の役割は左心房から左心室に流れる血液の逆流を防ぐということですね。

犬の僧帽弁閉鎖不全症とは、この僧帽弁が加齢などによって変性し、うまく閉じなくなってしまう病気です。
僧帽弁がしっかり閉じないと、心臓が収縮するたびに左心室から左心房へ血液が逆流してしまいます。

この逆流が続くことで、

  • 心臓は余分な力を使って血液を送り出さなければならなくなる
  • 左心房や左心室が少しずつ大きくなる
  • 心臓全体に負担がかかる

といった変化が徐々に進行していきます。

犬の僧帽弁閉鎖不全症は小型犬や高齢犬に多くみられ、初期のうちは症状がほとんど出ないことが特徴です。
そのため、健康診断やワクチン接種時の聴診で「心雑音」を指摘され、初めて気づくケースもあります。

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犬の僧帽弁閉鎖不全症が進行する理由

犬の僧帽弁閉鎖不全症は症状や病態が進行していく病気です。
僧帽弁閉鎖不全症が進行する最大の理由は、弁の変性が時間とともに進むためです。
一度変性が始まった僧帽弁は、自然に元の状態へ戻ることはありません。
逆流が続くと心臓はそれを補おうとして拡大し、一時的には全身の血流を保つことが可能です。
しかし、心臓の拡大は永遠には続かず、やがて心臓の負担が限界を超えると症状として現れてきます。
僧帽弁閉鎖不全症は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、全体としては進行していく病気と考えられています。
そのため、犬の僧帽弁閉鎖不全症は早期発見がとても重要です。

横を見ているキャバリア

ステージ分類で見る犬の僧帽弁閉鎖不全症の進行

犬の僧帽弁閉鎖不全症の進行は「ACVIMステージ分類(A〜D)」で表されます。

それぞれについて解説していきます

ステージA

ステージAは、現時点では僧帽弁閉鎖不全症を発症していない状態です。
以下の犬種のような、僧帽弁閉鎖不全症になりやすい犬種が該当します。

  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
  • マルチーズ
  • チワワ
  • ポメラニアン

ステージAでは、

  • 心雑音は聞こえない
  • 心臓の検査でも異常は見つからない
  • 日常生活に制限は不要

という状態です。
現時点では、治療は必要ありませんが、将来的な発症に備えて定期的な健康診断や聴診を受けておくことが大切になります。

ステージB

ステージBは、僧帽弁閉鎖不全症をすでに発症しているものの、心不全症状が出ていない段階です。
聴診で犬に心雑音が確認され、心臓超音波検査などで逆流や心臓の変化が認められます。

このステージはさらに、

  •  B1:心臓の拡大がほとんどない状態
  •  B2:心臓の拡大が明らかな状態

に分けられます。

飼い主様から見ると元気に見えるため、「本当に心臓病なの?」と感じることも多いかもしれません。
B2では将来の心不全発症リスクが高くなるため、進行を抑える目的で内服治療が開始されることがあります。
この段階での定期検査は予後に大きく関わってくるため重要です。

ステージC

ステージCは、僧帽弁閉鎖不全症が進行し、心不全の症状が実際に現れた段階です。

心不全の症状には以下のようなものが挙げられます。

  • 咳が増える
  • 呼吸が速く、苦しそうになる
  • 散歩を嫌がる、疲れやすい
  • 寝ている時間が明らかに増える

この段階では、肺に水がたまる「肺水腫」を起こすこともあり、命に関わる状態になることがあります。

肺水腫の治療は複数の心臓薬を組み合わせて行われ、状態によっては入院治療が必要です。
日常生活では、安静時呼吸数のチェックなど自宅での観察が重要になります。

ステージD

ステージDは、標準的な治療を行っても心不全のコントロールが難しくなった段階です。
症状の再発を繰り返したり、少しの変化で状態が急激に悪化することがあります。

この段階では、

  • 呼吸状態が不安定
  • 食欲が落ちやすい
  • 体力の低下が目立つ

といった症状が犬に見られます。

治療は個々の状態に合わせた専門的で細やかな管理が必要となり、通院頻度や投薬内容も増える傾向があります。

進行する僧帽弁閉鎖不全症の犬に飼い主様が自宅でできること

愛犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断されたら、「何か飼い主にできることはないのか」と思われる方も多いでしょう。
僧帽弁閉鎖不全症と向き合ううえで、飼い主様の役割はとても大きなものです。
飼い主様が自宅でできることをいくつかご紹介します。

  • 安静時の呼吸数を定期的に確認する
  • 咳や元気・食欲の変化を記録する
  • 体重管理を心がける
  • 指示された薬を正しく続ける

日々の小さな変化に気づくことが、進行の早期発見と適切な治療につながります。

笑っている白いポメラニアン

まとめ

犬の僧帽弁閉鎖不全症は、徐々に進行してしまう心臓の病気です。
早い段階から病気と正しく向き合い、適切な治療とケアを続けることで、穏やかで快適な生活を長く維持できる可能性はあります。
犬の僧帽弁閉鎖不全症の適切な診断と治療には専門的な知識や技術が必要です。

当院では、犬の心僧帽弁閉鎖不全症を含む循環器診療に力を入れています。
「心臓に雑音があると言われた」「治療中だけど心不全のコントロールがうまくいってない」という場合には、ぜひ当院に一度ご相談ください。

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心臓病の犬は夜に咳をする?|夜になると増える咳は体からの大切なサイン

2026年02月07日カテゴリ|コラム

原っぱのパピヨン

「日中は元気そうなのに、夜になると咳が出る」
「寝ている途中で急に咳き込み、起きてしまう」
愛犬にこのような様子が見られると、飼い主様は心配になると思います。
犬の咳は喉や気管支の病気だけでなく、心臓病が関係して起こることがあります。
とくに夜間や横になったときに目立つ咳は、見逃してはいけない変化のひとつです。

今回は犬の心臓病と夜に出る咳の関係について、できるだけ分かりやすく解説します。
愛犬に咳が増えてきたときに、参考にしていただければ幸いです。

犬の心臓病について

犬の心臓は全身に血液と酸素を送り出すポンプの役割を担っています。
この働きが低下した状態を総称したものが「心臓病」です。

心臓の機能が弱くなると血液の流れが滞り、肺や全身にさまざまな影響が現れます。
とくに肺は心臓と密接につながっているため、心臓病による影響が出やすい臓器です。

犬でよく見られる心臓病には、以下のようなものがあります。

  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 拡張型心筋症
  • 肺高血圧症
  • フィラリア症

これらの病気は原因や進行の仕方が異なりますが、進行すると共通して「咳」という症状が見られることがあります。

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犬の心臓病で咳が出る理由

「咳が出てるから気管や喉が悪いのかな」と思われる飼い主様も多いかもしれません。
咳は気管や喉といった呼吸器の病気だけでなく、心臓病でも見られる症状です。
犬の心臓病で咳が出る主な理由についてそれぞれ解説していきます。

心臓の拡大による気管支の圧迫

犬の心臓病では病気の進行とともに心臓が徐々に大きくなっていきます。
拡大した心臓は心臓の背中側を走る気管支を内側から押すようになります。
気管支とは肺に繋がる空気の通り道ですね。
気管支にはウイルスや異物のような刺激に対して反射的に咳をすることで、体外に排出しようとする機能があります。
拡大した心臓が気管支を圧迫すると、気管支に刺激として伝わり咳が引き起こされます。
この場合、痰の絡まない乾いた咳が運動後や夜間の安静時に見られることが多いです。

循環の変化による気管支への刺激

心臓の働きが低下すると、肺から心臓へ戻る血液の流れが滞りやすくなります。
この状態が続くと肺の血管に負担がかかり、肺の中に水分が染み出てしまうことがあります。
これは「肺うっ血」や「肺水腫」と呼ばれる状態です。
肺の中にたまった水分は空気の通り道である気管支にも刺激を与え、咳が引き起こされます。
この場合、痰が絡んだ湿った咳や息苦しさから呼吸回数が増えることが特徴です。

斜め上を見る白い犬

心臓病の犬で夜に咳が悪化しやすい理由

心臓や肺に病気がある犬では昼間よりも夜に咳が増えたり、呼吸が気になったりすることがあります。
これは病気が急に悪化したというよりも、夜という時間帯特有の体の変化が関係しているからです。
心臓病の犬で夜に咳が出やすくなる主な理由についてそれぞれ解説していきます。

姿勢の変化

夜は日中に比べて犬が横向きになって過ごす時間が長くなります。
犬が横向きになると心臓や肺、気管支の位置関係が変わるため、日中よりも気管支が心臓に圧迫されやすいです。
とくに犬の心臓が拡大している場合、この姿勢の変化が咳を引き起こすきっかけになることがあります。

肺や心臓の血流の変化

犬の安静時や睡眠中は血液が体の末端よりも心臓や肺へ集まりやすくなります。
心臓の機能が低下している犬では、この変化は肺や心臓にとって負担が大きいです。
その結果、肺うっ血や肺水腫により気管支が刺激されやすくなり咳が増えます。

自律神経の働きの変化

夜間はリラックスをつかさどる副交感神経が優位になる時間帯です。
副交感神経が優位になると気管支が少し狭くなり、分泌物も増えやすくなります。
心臓病がある犬では、こうした小さな変化でも気管支が刺激されやすくなり、咳が出やすくなることがあります。

温度・湿度や気圧の変化

夜間は

  • 気温の低下
  • 空気の乾燥
  • 気圧の低下

といった変化が起こりやすいです。
このような小さな変化は健康な犬では体への影響はほとんどありません。
しかし、心臓病の犬はこの「小さな変化」に対応できず、普段なら出ない咳が出やすくなります。

心臓病が疑われる咳の特徴

犬の咳にはさまざまな原因があります。
心臓病が関係している場合、以下のような特徴が見られることが多いです。

  • 夜間や明け方に咳が増える
  • 安静時や寝ているときに咳が出る
  • 興奮や運動後に咳き込む
  • 徐々に咳の頻度が増えている

「最近、夜になると咳が増えた」
「前より咳が長引くようになった」
このような変化に気づいた場合、早めに動物病院を受診しましょう。

こちらを見ているトイプードル

まとめ

犬の夜の咳は心臓病のサインとして現れることがあります。
とくに安静時や夜間に増える咳には注意が必要です。
「ただの咳」と思って見過ごしてしまうことで、心臓病の発見が遅れてしまうケースもあります。

当院では、犬の心臓病を含む循環器診療に力を入れています。
「犬が夜中だけ咳をしている」「咳で夜中起きてしまう」という場合には、ぜひ当院に一度ご相談ください。

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