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犬の膿皮症にシャンプーは有効?|膿皮症に効果的なシャンプーの選び方と使い方を解説

2025年06月28日カテゴリ|コラム

芝生にいるシュナウザー

犬の膿皮症にシャンプーは有効?|膿皮症に効果的なシャンプーの選び方と使い方を解説

膿皮症は犬の皮膚疾患の中でも、もっとも一般的な問題です。
膿皮症は皮膚に細菌感染が起こることで、かゆみや赤みなどを引き起こします。
犬の膿皮症の管理の一環としてシャンプーを行うことがあります。
しかし、間違ったシャンプーの使い方をすると症状が悪化してしまうことも少なくありません。

今回は犬の膿皮症に効果的なシャンプーの選び方や使い方を詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚の健康を守るためにお役立てください。

膿皮症とは

膿皮症は犬の皮膚において細菌が異常増殖することで発症します。
細菌感染が原因と聞くと、

「どこで細菌に感染したんだろう…」

と思われる方もいるのではないでしょうか。
しかし、犬の膿皮症は皮膚に元々存在する常在菌と呼ばれる細菌が原因のことが多いです。原因菌はブドウ球菌であることが一般的ですね。
これらの細菌は通常、皮膚の自然なバリアが何らかの理由で弱まった時に感染を引き起こします。
犬の皮膚は人間と比較し、pH値も異なるため、細菌の繁殖に適した環境になりやすいという特徴があります。

膿皮症の症状

膿皮症は皮膚のシワになっている部位や湿気がこもりやすい部位に発生しやすいです。
特に腹部や脇などに多いですね。
皮膚で細菌が過剰増殖することで、以下のような症状が現れます。

  • 皮膚の赤み
  • かゆみ
  • 円形のかさぶた
  • 膿疱(白い膿が溜まったニキビのようなもの)
  • 皮膚の肥厚や色素沈着

膿皮症の発症には、アレルギー性皮膚炎や内分泌疾患が深く関与しています。
特に、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーは、皮膚の炎症を引き起こし、バリア機能をさらに低下させるため要注意です。
また、甲状腺機能低下症やクッシング症候群などの内分泌疾患も、免疫力を低下させ、膿皮症のリスクを高めることが知られています。
これらの基礎疾患を適切に管理することが、膿皮症の予防において重要ですね。

間違ったシャンプーが膿皮症の原因に?

膿皮症は不適切なスキンケアによっても引き起こされます。
刺激性の強いシャンプーや過剰なシャンプーは皮膚を乾燥させ、バリア機能の低下を招きます。
逆にシャンプー不足も皮脂や汚れが溜まり、皮膚の健康を損なう要因です。
犬の皮膚を清潔に保つためには、適切なスキンケアが不可欠であり、定期的なシャンプーと適切な製品の使用が推奨されます。
特に、高温多湿で細菌が増殖しやすい条件が揃う夏場は膿皮症の発症が増えるため注意しましょう。

犬の膿皮症治療におけるシャンプーの役割

シャンプーされる柴犬

「犬が膿皮症になったらシャンプーをした方がいいの?」

このような疑問を持たれる方も多いでしょう。
膿皮症の治療において、適切なシャンプーの使用は非常に重要な役割を果たします。
シャンプーの代表的な効果は以下の通りです。

  • 皮膚表面の細菌や汚れの除去
  • 炎症の軽減
  • かゆみの緩和
  • 皮膚のpH調節
  • 皮膚や被毛の保湿

特に、抗菌作用のある成分を含むシャンプーは、細菌の増殖を抑制し、症状の改善に大きく貢献します。
また、定期的なシャンプーにより、皮膚の健康状態を維持し、膿皮症の再発を予防することも可能です。

膿皮症に有効なシャンプー成分とは

膿皮症の治療に使用されるシャンプーには殺菌・抗菌作用のある成分が含まれていることが多いです。
殺菌・抗菌作用のある成分には以下のものが挙げられます。

  • クロルヘキシジン
  • 過酸化ベンゾイル
  • エチル乳酸
  • 硫黄
  • サリチル酸
  • アロエベラ
  • ヒノキチオール

これらの成分についてそれぞれ解説していきます。

クロルヘキシジン

クロルヘキシジンは、犬の膿皮症に対して非常に効果的な抗菌成分です。
クロルヘキシジンは細菌の細胞膜を破壊することによって、細菌の増殖を抑制します。
特に、ブドウ球菌による膿皮症やマラセチアによる皮膚炎の治療において重要な役割を果たします。

クロルヘキシジンを使用する際は、正しい方法を守ることが重要です。
まず、シャンプーを皮膚に均等に塗布し、5〜10分間放置します。
この時間は、成分が皮膚に浸透し、効果を発揮するために必要です。
その後、十分に洗い流すことで、残留物を取り除き、皮膚への刺激を防ぎます。

過酸化ベンゾイル

過酸化ベンゾイルは、酸化作用を通じて細菌を効果的に殺菌し、皮脂を除去する特性を持っています。
特に、脂性肌や皮脂腺の異常がある犬に対して有効ですね。

ただし、過酸化ベンゾイルは皮膚を乾燥させる可能性があるため、使用後には保湿剤を併用しましょう。

エチル乳酸

エチル乳酸は、犬の皮膚のpHを効果的に低下させる成分です。
エチル乳酸はシャンプー時にエタノールと乳酸に分解され、皮膚の酸性度を高めることで、細菌の増殖を抑制します。

特に、膿皮症の原因となる細菌に対して有効であり、健康な皮膚環境を維持するために重要な役割を果たします。

硫黄

硫黄は皮膚の角質を柔らかくすることで、古い角質が剥がれやすくなり、細菌の繁殖を抑える役割を果たします。
硫黄を含むシャンプーを使用することで犬の皮膚が清潔に保たれ、炎症のリスクが低下します。 

サリチル酸

犬の皮膚のターンオーバーを促進する重要な成分です。
サリチル酸は古い角質を効果的に除去し、皮膚の新陳代謝を活性化させることで、健康な皮膚の再生を助けます。

特に、膿皮症のような皮膚疾患においては、サリチル酸が持つ抗炎症作用が、炎症を軽減し、かゆみを和らげる効果をもたらします。
定期的にサリチル酸を含むシャンプーを使用することで、皮膚の状態を改善し、再発を防ぐことが可能です。 

アロエベラ

アロエベラは皮膚の炎症を軽減し、かゆみを和らげます。
また、アロエベラには保湿効果もあり、乾燥した皮膚をしっかりと潤すことで、バリア機能を強化します。

ヒノキチオール

ヒノキチールは天然の抗菌成分であり、皮膚の炎症を軽減しながら細菌の繁殖を抑える効果があります。
皮膚への刺激が少ないため、デリケートな犬にも適しています。

シャンプーの効果的な使用方法

犬の膿皮症に効果的なシャンプーを使用する際は、まずシャンプーを十分に泡立てることが重要です。
泡立てることで、シャンプーの成分が皮膚にしっかりと浸透し、抗菌作用を発揮します。

特に、過酸化ベンゾイルやクロルヘキシジンなどの成分は、泡立てることでその効果を最大限に引き出すことができます。
シャンプー後のすすぎは、犬の皮膚を健康に保つために欠かせないステップです。
シャンプーの成分が皮膚に残ると、かゆみや刺激を引き起こす可能性があります。
したがって、十分な量の水でシャンプーを完全に洗い流すことが重要です。

特に、耳や足の間など、洗い残しが起こりやすい部分には注意を払い、しっかりとすすぎましょう。
さらに、シャンプー後は保湿剤を使用し乾燥を防ぎましょう。

膿皮症の治療中は皮膚が敏感になりやすいため、適切な保湿が必要です。
保湿剤には、皮膚のバリア機能を強化し、外部刺激から守る効果があります。

まとめ

シーズーを抱っこする女性

今回は膿皮症とシャンプーについて解説しました。
膿皮症の治療においてシャンプーは重要な役割を果たします。愛犬にあったシャンプーを選び、根気強く治療を続けることが大切です。

当院では膿皮症をはじめとする皮膚科の診療に力を入れています。
シャンプー選びに迷ったり、膿皮症の治療に悩んでいる方は気軽にご相談ください。

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