

【重要】SFTSウイルス感染症について
2025年07月31日カテゴリ|お知らせ
皆さん、SFTSという病気はご存じでしょうか?
SFTS = 重症熱性血小板減少症候群
という病気で、マダニが媒介します。
少し前に三重県の獣医師がこの病気に罹患した猫の治療中に、自身も罹患され亡くなるというニュースを目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
先日、宇治田原町でも人の感染が報告されました。
この病気の原因はSFTSウイルスで、西日本に多いとされています。
ちなみに治療法はまだありません。
この病気の致死率は
犬 約40%
猫 約60%
人 約30%
とされており、非常に怖い病気です。
ぐったりしている状態の悪い外猫を見つけられたときは、くれぐれも触らないように!
もしSFTS罹患猫であれば、ご自身も感染する可能性があります。
十分にご注意ください。


犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージAとは|初期から考える心臓病予防
2025年07月28日カテゴリ|コラム
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージAとは|初期から考える心臓病予防
犬の僧帽弁閉鎖不全症をご存知ですか?
僧帽弁閉鎖不全症は、特に小型犬に多い心臓病で、進行とともに咳や呼吸困難といった症状が現れる厄介な病気です。
犬の僧帽弁閉鎖不全症には段階(ステージ)ごとに分類があり、僧帽弁閉鎖不全症のステージはAからDまであります。
今回は、僧帽弁閉鎖不全症のステージAについて、どのような犬が該当するのか、そしてこの段階でできる予防や管理について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、僧帽弁閉鎖不全症について知識を深めるきっかけにしてください。
僧帽弁閉鎖不全症とステージ分類(ACVIM分類)
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内の血液の逆流を引き起こす病気で、進行すると心不全へとつながる怖い病気です。
この病気には、アメリカ獣医内科学会(ACVIM)が提唱したステージ分類があり、
- ステージA
- ステージB1
- ステージB2
- ステージC
- ステージD
の5つにわかれています。
ステージAとは?
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージAは、「心臓に異常はないが将来的に発症リスクが高い」状態をいいます。
心臓に異常が見つかっていない段階ですが、将来的に発症する可能性を見据えて健康管理を始めるべき時期です。
具体的には、次のような犬がステージAに該当します。
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、マルチーズ、チワワ、ポメラニアン、シーズーなどの小型犬(好発犬種)
- 老齢の高齢犬
この段階では、聴診で心雑音も聞こえず、超音波検査でも心臓の異常は見られません。
しかし、これらの条件に当てはまる犬は、将来的に僧帽弁閉鎖不全症を発症するリスクが高いとされています。
ステージAでできる心臓病予防とケア
ステージAの段階では症状も出ていないため、薬による治療は不要です。
普段の生活習慣の見直しや定期的な健康診断が大切になります。
体重管理
肥満は心臓に負担をかけます。しっかりと体重を管理して、理想体重を維持しましょう。
適度な運動
適度に運動することは健康維持のためにも重要です。無理のない範囲で、体力維持のための散歩をするようにしましょう。
栄養バランスの良い食事
ナトリウム制限や心臓サポート食などの心臓に合わせた療法食はまだ不要な場合が多いです。
本人の体調に合わせて食事をするようにしましょう。
塩分が多すぎる食事や、人間の食べ物はあげないことが大切です。
ストレス管理
急激な環境変化やストレスは心臓に負担をかけることがあります。
犬が安心して落ち着ける環境を整えましょう。
定期健診
ステージAの犬はいつ症状が出始めてもおかしくない状態です。
年に1回の健康診断(心音聴診、心臓超音波検査など)で病気の早期発見に努めましょう。
特に好発犬種では、症状が出る前の段階で心臓の健康状態を把握しておくことが、進行予防の第一歩となります。
まとめ
犬の僧帽弁閉鎖不全症にはステージ分類があります。ステージAは、心臓に異常が見つかっていない段階です。
しかし、好発犬種や高齢犬では、将来的に発症リスクが高いことを理解し、今から健康管理を始めることが大切です。
当院では、循環器に力を入れており、心臓病の早期発見・進行予防のための健康診断を実施しています。
「うちの子、心臓大丈夫かな?」と心配になったら、ぜひ一度ご相談ください。
早めのケアで、愛犬の心臓の健康を守りましょう。
京田辺・八幡・枚方・長尾の動物病院
松井山手動物病院


◎フードの日について◎
2025年07月28日カテゴリ|お知らせ


◎8月の休診日について◎
2025年07月22日カテゴリ|お知らせ


犬の脱毛はなぜ起こるの?|犬に脱毛が起こる原因や注意するポイントを解説
2025年07月21日カテゴリ|コラム
犬の毛が抜けたり薄くなったりしていると、
「また生えるのかな?」
「広がってしまわないかな?」
と心配になりますよね。
犬の毛は生きていくうえで生え変わるもので、特に換毛期には大量の抜け毛があるのも自然なことです。
ただし、完全に毛がない部分があったり、毛が明らかに薄くなったりしている場合には、何か病気がないかを考えなければなりません。
中には、単に皮膚の問題ではなく、全身の病気のサインである可能性もあります。
今回は犬の脱毛があるときに考えられる病気や、注意するポイント、脱毛の原因を調べる検査について解説します。
犬の脱毛が起こる原因
犬の脱毛の原因には次のようなものがあります。
- 感染症
- アレルギー性疾患
- 内分泌疾患
- 遺伝性疾患
- 自己免疫疾患
- 毛周期異常
- 薬剤
- 不適切なスキンケア、毛刈り
- 身体的ストレス(重篤な病気など)
このように見ると、様々な原因で脱毛が起きることがわかりますね。
この中でも特に多いのは、感染症、アレルギー性疾患、内分泌疾患です。
それぞれの原因について、代表的な病気を挙げながら解説していきます。
感染症
皮膚に細菌、カビ、寄生虫が感染することで脱毛が起こります。
代表的な病気についてみていきましょう。
- 表在性膿皮症:細菌による皮膚炎で、フケと赤みのある脱毛が広がっていくのが特徴です。
- 皮膚糸状菌症:糸状菌というカビが毛根に感染することで脱毛が起こります。
- 寄生虫疾患:ニキビダニ症や疥癬(かいせん:イヌヒゼンダニの感染)などで脱毛病変ができることがあります。
このような感染症による脱毛は、病原体に対する治療を行うことで改善します。
様子をみると感染が広がってしまいますので、重症化しないうちに治療を始められると良いですね。
アレルギー性疾患
アレルギー性皮膚炎では、痒みがある部分を掻くことによって毛が薄くなります。
犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギーが代表的な病気です。
アレルギー検査や除去食試験(療法食を使った検査)などの検査で診断をつけながら、内服薬などで痒みの管理をしていきます。
痒みが落ち着けば脱毛部にも毛が生えてきます。
内分泌疾患
内分泌疾患(ホルモンの分泌が過剰もしくは不足する病気)でも脱毛病変ができることがあります。
犬で特に多いのは、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)と甲状腺機能低下症です。
去勢・避妊手術をしていない犬では、性ホルモン失調によっても脱毛病変ができることがあります。
いずれも広範囲~全身で毛が薄くなることが多いですね。
内分泌疾患は、毛が薄くなるだけでなく全身に様々な症状が出る病気で、他の病気の原因にもなります。
犬に脱毛があるときに注意するポイント
犬の脱毛の原因は様々です。
原因により治療が異なるため、脱毛がある犬の診察では、皮膚の状態や症状などからどのような病気が考えられるかを推察していきます。
原因を考えていくうえで、注意するポイントについてみていきましょう。
飼い主様も次のポイントについて思い返していただき、獣医師に伝えてください。
脱毛はいつからある?広がっている?
脱毛が数日などで急にできたのか、数ヶ月など長期的に続いている状態なのかで、考えられる病気が変わります。
急にでき、広がってきたなど変化がある場合には、感染症などの可能性が高いです。
徐々に毛が薄くなっている場合には、アレルギーや内分泌疾患などが考えられます。
脱毛の範囲は?
脱毛が、どれくらいの範囲で、どのようなかたちで存在しているかは重要なポイントです。
病変がごく一部にある場合には、感染症や、局所的な刺激などによるものの可能性が高いです。
広範囲に、特に左右対称にある場合には、アレルギーや内分泌疾患などの可能性が高くなります。
痒みはある?
感染症やアレルギーなどでは痒みの症状がみられます。
皮膚を掻いたり噛んだり、床や壁に擦りつけたりといった様子がないか見てみましょう。
逆に、内分泌疾患や遺伝性疾患などでは痒みの症状はみられません。
脱毛がある犬の診察では、次のようなポイントも診断の助けになることがあります。
- シャンプー剤や塗り薬などの使用歴、自宅でのスキンケア方法
- 現在~過去に与えたことのあるごはんや食材
- 新しく家に迎えた動物はいないか、その動物や飼い主様に皮膚症状はあるか
この他にも、細かい生活上の変化などについてもお聞きすることがあります。
可能であれば、犬の生活についてよく知っているご家族の方が受診できると良いですね。
まとめ
犬の脱毛病変では多くの原因が考えられます。
全身には影響がなく、一時的な問題で毛が生えなくなってそのうち自然に生えてくるのもよくあることです。
しかし、中には全身の病気や進行する病気の場合もあるので、ただ毛がないだけと思わずに動物病院で相談してみましょう。
脱毛病変を改善するためには、しっかりと検査を行って原因に合わせた治療を行うことが大切です。
犬の脱毛や薄毛が気になりましたら、お気軽に当院にてご相談ください。
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