

犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージAとは|初期から考える心臓病予防
2025年07月28日カテゴリ|コラム
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージAとは|初期から考える心臓病予防
犬の僧帽弁閉鎖不全症をご存知ですか?
僧帽弁閉鎖不全症は、特に小型犬に多い心臓病で、進行とともに咳や呼吸困難といった症状が現れる厄介な病気です。
犬の僧帽弁閉鎖不全症には段階(ステージ)ごとに分類があり、僧帽弁閉鎖不全症のステージはAからDまであります。
今回は、僧帽弁閉鎖不全症のステージAについて、どのような犬が該当するのか、そしてこの段階でできる予防や管理について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、僧帽弁閉鎖不全症について知識を深めるきっかけにしてください。
僧帽弁閉鎖不全症とステージ分類(ACVIM分類)
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内の血液の逆流を引き起こす病気で、進行すると心不全へとつながる怖い病気です。
この病気には、アメリカ獣医内科学会(ACVIM)が提唱したステージ分類があり、
- ステージA
- ステージB1
- ステージB2
- ステージC
- ステージD
の5つにわかれています。
ステージAとは?
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージAは、「心臓に異常はないが将来的に発症リスクが高い」状態をいいます。
心臓に異常が見つかっていない段階ですが、将来的に発症する可能性を見据えて健康管理を始めるべき時期です。
具体的には、次のような犬がステージAに該当します。
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、マルチーズ、チワワ、ポメラニアン、シーズーなどの小型犬(好発犬種)
- 老齢の高齢犬
この段階では、聴診で心雑音も聞こえず、超音波検査でも心臓の異常は見られません。
しかし、これらの条件に当てはまる犬は、将来的に僧帽弁閉鎖不全症を発症するリスクが高いとされています。
ステージAでできる心臓病予防とケア
ステージAの段階では症状も出ていないため、薬による治療は不要です。
普段の生活習慣の見直しや定期的な健康診断が大切になります。
体重管理
肥満は心臓に負担をかけます。しっかりと体重を管理して、理想体重を維持しましょう。
適度な運動
適度に運動することは健康維持のためにも重要です。無理のない範囲で、体力維持のための散歩をするようにしましょう。
栄養バランスの良い食事
ナトリウム制限や心臓サポート食などの心臓に合わせた療法食はまだ不要な場合が多いです。
本人の体調に合わせて食事をするようにしましょう。
塩分が多すぎる食事や、人間の食べ物はあげないことが大切です。
ストレス管理
急激な環境変化やストレスは心臓に負担をかけることがあります。
犬が安心して落ち着ける環境を整えましょう。
定期健診
ステージAの犬はいつ症状が出始めてもおかしくない状態です。
年に1回の健康診断(心音聴診、心臓超音波検査など)で病気の早期発見に努めましょう。
特に好発犬種では、症状が出る前の段階で心臓の健康状態を把握しておくことが、進行予防の第一歩となります。
まとめ
犬の僧帽弁閉鎖不全症にはステージ分類があります。ステージAは、心臓に異常が見つかっていない段階です。
しかし、好発犬種や高齢犬では、将来的に発症リスクが高いことを理解し、今から健康管理を始めることが大切です。
当院では、循環器に力を入れており、心臓病の早期発見・進行予防のための健康診断を実施しています。
「うちの子、心臓大丈夫かな?」と心配になったら、ぜひ一度ご相談ください。
早めのケアで、愛犬の心臓の健康を守りましょう。
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