猫の毛が抜けるのは病気?|猫の毛が抜ける原因と受診の目安について解説
2026年02月28日カテゴリ|コラム
「最近、猫の毛がごっそり抜けている」
「左右対称に毛が薄くなってきた」
「舐めているところだけ毛がなくなっている」
猫はもともと毛がよく抜ける動物ですが、明らかに毛が薄くなっている・地肌が見える場合は、病気が隠れていることもあります。
とくに猫は体調不良を隠す傾向が強いため、「毛が抜ける」という変化は分かりやすい病気のサインかもしれません。
今回は、猫の毛が抜けたときの
- 生理的な換毛との違い
- 病的な脱毛の原因
- 飼い主様が気づきたいポイント
- 自宅でできるケア
について、できるだけ分かりやすく解説します。
「猫の毛がすごく抜ける」と感じた際に参考にしていただければ幸いです。
「猫の毛が抜けた」は普通?異常?
猫の毛は体の正常な機能として抜ける場合と体の異常によって抜ける場合があります。
猫の毛が抜ける原因には「生理的な換毛」と「病的な脱毛」に分けられます。
生理的な換毛
生理的な換毛とは、季節の変化に合わせて毛が生えかわる自然な現象のことです。
生理的な換毛では、
- 全体的に毛が抜ける
- 地肌が見えない
- かゆみや赤みが見られない
といった特徴があります。
とくに春や秋は毛が抜け替わる時期として「換毛期」と呼ばれます。
病的な脱毛
病的な脱毛とは、病気が原因で毛が抜けてしまっている状態です。
病的な脱毛では、
- 部分的な脱毛
- 左右対称の薄毛
- 皮膚の舐め壊し
といった特徴があります。
このような様子が見られた場合は、病的な脱毛の可能性が高いので早めに動物病院を受診しましょう。
猫の毛が抜けたときの病的な原因
猫の脱毛にはさまざまな原因があり、一つだけでなく複数の要因が重なっていることもあります。
猫は皮膚の異常を強く訴えないため、「毛が抜ける」という変化は体からの大切なサインです。
猫の毛が抜ける代表的な病気について詳しく解説します。
グルーミング過多
猫の脱毛で最も多くみられる原因が、グルーミング過多です。
猫は本来、毛づくろいをとても大切にする動物ですが、ストレスや違和感があると同じ場所を執拗に舐め続けることで脱毛することがあります。
とくに脱毛が起こりやすい部位は
- お腹
- 内もも
- 前肢
- 脇腹
などで、左右対称に毛が薄くなることが多いのが特徴です。
皮膚自体には赤みや発疹がほとんど見られず、「ただ毛がなくなっているだけ」に見える場合もあります。
グルーミング過多の背景には、
- 環境の変化(引っ越し、模様替え)
- 家族構成の変化(赤ちゃん、多頭飼育)
- 騒音や来客
- 運動不足や刺激の不足
など、飼い主様が気づきにくいストレスが関係していることがあります。
皮膚や体の違和感を和らげるために舐め続けているケースもあり、原因の見極めが重要です。
アレルギー性皮膚炎
猫でもアレルギーが原因で脱毛が起こることがあります。
アレルギー性皮膚炎とは、食物アレルギーや環境アレルゲンに反応し、皮膚に炎症が起こる病気です。
猫のアレルギー性皮膚炎の特徴は、
- 強いかゆみが分かりにくい
- 皮膚病変が目立たない
- 脱毛が主な症状になる
などが挙げられます。
猫のアレルギー性皮膚炎は舐めることで毛が抜けて初めて飼い主様が気づくことも多いです。
猫では粟粒性皮膚炎や好酸球性肉芽腫群といった、アレルギーに関連した皮膚病変が見られることもあります。
ノミ・ダニなどの外部寄生虫
ノミやダニによる刺激も猫の脱毛の原因の一つです。
とくにノミアレルギーでは、ノミが少数でも強い反応を示し、背中や首周りを中心に毛が抜けることがあります。
完全室内飼育の猫でも、
- 人の衣服
- 来客
- 荷物
などを介して侵入することがあり、「外に出ないから大丈夫」とは言い切れません。
ノミ・ダニは、予防によって防げる脱毛原因の一つです。
定期的なノミ・ダニ予防は皮膚トラブル全体のリスクを下げることにつながります。
皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症はカビの一種による感染症で、猫の脱毛原因としてとても重要です。
猫の皮膚糸状菌症は
- 円形の脱毛
- フケ
- 軽度の皮膚の赤み
などが見られ、子猫や高齢猫のような免疫力が低下している猫で多く発症します。
皮膚糸状菌症は人に感染する可能性があるため、早期診断と適切な治療が必要です。
見た目が軽症でも、放置すると感染が広がることがあります。
痛みや内臓の不調による脱毛
猫では、皮膚自体に異常がなくても、
- 関節の痛み
- 腹部の不快感
- 泌尿器疾患
などが原因で特定の部位を舐め続けて脱毛することがあります。
この場合、皮膚検査では異常が見つからないことが多いです。
脱毛の部位と体の内部の問題が一致することもあるため全身の評価が重要です。
内分泌疾患・慢性疾患
猫では内分泌疾患や慢性疾患が原因で脱毛が起こることがあります。
これらの代表的な病気として甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病などが挙げられます。
猫の甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病では、
- 毛並みが悪くなる
- 被毛がパサつく
- 抜け毛が増える
といった変化が見られることがあります。
このような場合、皮膚だけを治療しても改善しないため、血液検査などによる全身評価が必要です。
複数の原因が重なっているケース
猫の脱毛は、
- ストレス+アレルギー
- アレルギー+感染
- 痛み+グルーミング過多
など、複数の要因が重なっていることもあります。
「毛が抜ける=皮膚病」と決めつけず、猫の生活環境や体調全体を見て判断することが大切です。
猫の毛が抜けたときに動物病院を受診すべきサイン
猫の毛が抜けたときに病院を受診すべきなのか迷いますよね。
以下のようなサインが見られる場合には、とくに猫の体に異常が起きている可能性があります。
- 地肌がはっきり見える
- 同じ場所ばかり抜ける
- 赤み・かさぶたがある
- 毛が抜けた範囲が広がっている
このような場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
猫の毛が抜けたときに飼い主様が自宅でできること
猫の毛が抜けた原因を特定するには、「どのような経過で毛が抜けたのか」が重要です。
猫の毛が抜けたときに飼い主様が自宅でできることをいくつか紹介します。
- 抜けている部位と範囲を記録する
- 舐めている頻度を観察する
- 環境の変化を振り返る
- ノミ・ダニ予防を継続する
無理にシャンプーをしたり、市販薬を使う前に動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫の毛が抜ける原因は、生理的な換毛から病的な脱毛までさまざまです。
とくに猫では、「毛が抜ける」ことが体調不良のサインになることもあります。
「猫の抜け毛が増えた」というサインを見逃さないように、日々の猫の様子をチェックしましょう。
当院では猫の脱毛を含む皮膚科診療に力を入れています。
「猫の毛が抜けた」「こんなに毛が抜けて大丈夫なのか心配」という場合には、ぜひ当院に一度ご相談してください。
松井山手・八幡・枚方・長尾の動物病院
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