猫の「呼吸が早い」は心臓病が原因?|猫の心臓病で呼吸が早くなる理由と見逃せないサインを解説
2026年03月14日カテゴリ|コラム
「最近、猫の呼吸が早い気がする」
「寝ているだけなのに胸が大きく動いている」
「運動していないのに、呼吸が荒い」
このような変化に気づいたとき、「暑いからかな?」「緊張しているだけ?」と様子を見てしまう飼い主様はいらっしゃるかもしれません。
猫の呼吸が早い状態の背景には心臓病が隠れていることがあります。
猫は体調不良をとても上手に隠す動物です。
そのため、「呼吸が早い」という変化は、猫の心臓病を知らせる重要なサインである場合があります。
今回は、
- 猫の心臓病とはどのような病気なのか
- なぜ心臓病で呼吸が早くなるのか
- 飼い主様が気づいてあげたいサイン
について、できるだけ分かりやすく解説します。
愛猫の呼吸に異変を感じた際に、参考にしていただければ幸いです。
猫の心臓病について
心臓は全身に血液を送り出し、酸素や栄養を届ける重要な臓器です。
この心臓の働きに異常が起こり、体に十分な血液を送れなくなった状態を総称して「心臓病」と呼びます。
猫で多く見られる代表的な心臓病には、以下のようなものがあります。
- 肥大型心筋症
- 拘束型心筋症
- 拡張型心筋症
- 高血圧や甲状腺機能亢進症に伴う二次的な心臓病
とくに肥大型心筋症は猫の心臓病の中で最も多く、若い猫から高齢の猫まで幅広い年齢で認められます。
猫の心臓病は初期の段階ではほとんど症状が出ません。
「気づいたときには呼吸が苦しそうになっていた」というケースも多いです。
心臓病は一度発症すると完治が難しい病気ですが、早期に発見し、適切な治療と管理を行うことで生活の質を保つことが可能です。
心臓病の猫で呼吸が早くなる理由
心臓病が原因で猫の呼吸が早くなる理由にはいくつかあります。
それぞれについて解説していきます。
全身の酸素不足
猫の心臓病が進行すると、心臓は十分な血液を全身へ送り出すことができません。
その結果、全身に届けられる酸素の量が低下します。
体は酸素不足を補おうとして、
- 呼吸の回数を増やす
- 呼吸を浅く速くする
といった反応を起こします。
これが心臓病の猫で「呼吸が早い」と感じられる大きな理由です。
肺や胸に水がたまる影響
猫の心臓病が進行すると心臓に戻ってくる血液が滞り、肺に水がたまる「肺水腫」や胸に水がたまる「胸水」という状態になることがあります。
肺や胸に水がたまると、
- 酸素を取り込みにくくなる
- 肺が膨らみにくくなる
- 呼吸をするたびに強い負担がかかる
ため、猫はさらに呼吸を早くしようとします。
猫の心臓病で呼吸が早くなっているときのサイン
愛猫の呼吸が苦しくなっていたらすぐに気づいてあげたいですよね。
心臓病の猫の呼吸が早い場合、次のようなサインが見られることがあります。
- 安静時でも呼吸数が多い
- 寝ているときに胸やお腹が大きく動く
- 少し動いただけで呼吸が荒くなる
- うずくまる姿勢を好む
- じっとしている時間が増える
さらに進行すると、
- 口を開けて呼吸する
- 舌や歯ぐきの色が紫色になる
- 急に元気がなくなる
といった命に関わる症状が現れることもあります。
猫の「呼吸が早い」は命に関わる重要な変化です。
心臓病の猫では、呼吸が早くなっていても必ずしも苦しそうな様子を見せるとは限りません。
猫は本能的に弱っている姿を隠そうとするため、見た目が落ち着いていても体の中では大きな負担がかかっていることがあります。
「元気そうだから大丈夫」「食欲があるから様子見でいい」と判断してしまうと、気付かないうちに心臓病が進行してしまうこともあります。
猫の元気だけで判断せず、呼吸数の変化にも注目することが大切です。
猫の呼吸が早い場合の心臓病と他の病気の違い
猫の呼吸が早い原因は、心臓病以外にも
- 呼吸器疾患
- 貧血
- 発熱
- 強いストレス
などが考えられます。
猫の呼吸が早くなる原因が心臓病の場合の特徴に、
- 動いていなくても呼吸が早い
- 寝ているときに悪化が目立つ
- 徐々に進行する
といった点が挙げられます。
しかし、猫の見た目だけで原因を判断することは難しいため、検査による評価が重要です。
猫の呼吸が早いと感じたときの受診目安
猫の安静時の呼吸数は、1分間に20〜30回程度が目安とされています。
寝ているときやリラックスしている状態で数えるのがおすすめです。
- 安静時の呼吸数が40回を超えている
- 安静時の呼吸数が徐々に増えている
- 呼吸が浅く速い状態が続いている
- 元気や食欲が落ちている
- 口を開けて呼吸している
このような場合は心臓病を含めた病気の可能性が高いので、早めに動物病院を受診しましょう。
心臓病で呼吸が早くなっている猫に自宅でできること
心臓病で猫の呼吸が早くなっている場合、日常生活での配慮はとても重要です。
心臓病の猫に自宅でできることをいくつか紹介します。
安静に過ごせる環境作り
猫が落ち着いて休める静かな場所を用意しましょう。
大きな音や来客などの刺激は、呼吸数や心拍数を上げる原因になります。
無理に動かさない
猫の呼吸が早いときは、抱っこや遊びを無理にさせないことが大切です。
猫が自分から動かないのは体を守るための行動です。
トイレやご飯などを猫がよくいる場所の近くに置いてあげることで、猫の移動の負担を減らせます。
日々の呼吸数をチェック
寝ているときの呼吸数を定期的に確認しましょう。
猫の呼吸数の変化を記録しておくと受診時に役立ちます。
酸素室を準備する
酸素室とは、大気よりも酸素濃度を高くした部屋のことです。
酸素濃度の高い酸素室では、一回の呼吸でより多くの酸素を体に取り込むことができます。
心臓病が進行した猫は肺水腫や胸水などで酸素不足になっていることが多いです。
心臓病の猫に酸素室を用意してあげることで、猫の呼吸を楽にすることができます。
処方された薬の継続
猫が心臓病と診断されている場合は薬を正しく続けることがとても重要です。
自己判断で薬を中断することは、症状を急激に悪化させる可能性があります。
猫が薬を飲みにくそうな場合は、投薬方法について動物病院に相談してみましょう。
まとめ
猫の「呼吸が早い」という変化は、心臓病の重要なサインであることがあります。
猫は症状を隠しやすいため、呼吸の変化は早期発見の手がかりになります。
日々の猫の様子をチェックすることで愛猫の変化にすぐに気づけるようにしましょう。
当院では、猫の心臓病を含む循環器疾患の診療にも力を入れています。
「猫の呼吸が早い気がする」「心臓病と診断されて心配」という場合は、気軽に当院へお越しください。
松井山手・八幡・枚方・長尾の動物病院
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