

シーズーでよくみられる皮膚病について|皮膚がべたつく理由とは?
2025年06月14日カテゴリ|コラム
シーズーでよくみられる皮膚病について|皮膚がべたつく理由とは?
シーズーは、丸く愛らしいお顔とつやつやの長毛が美しく人気の犬種です。
穏やかで人懐こい性格のため、飼いやすい点も魅力的ですね。
一方で、皮膚のべたつきや脂っぽいにおいにお悩みの飼い主さんも多いでしょう。
今回は、シーズーになぜ皮膚病が多いのか、よくある皮膚病と対策について解説します。
シーズーに皮膚病が多い理由
シーズーは元々、古代のチベット地方で生まれて中国に渡り、中国宮廷で神聖な存在として大切にされていました。
シーズーの出身であるチベット地方は寒く乾燥した気候の地域です。
そのため、体の熱や水分を逃さないように、被毛は密で長く、皮膚は皮脂を多く分泌する性質をもっています。
チベットと比較して高温多湿の日本においては、密な毛により汚れや湿気がたまりやすく、皮脂が過剰になります。
このような生まれつきの皮膚の性質から、シーズーは皮膚病になりやすいのです。
シーズーで多い皮膚病
シーズーは、あらゆる犬種の中でも皮膚病が多い犬種です。
特に多い皮膚病としては次のものがあります。
犬アトピー性皮膚炎
シーズーでは、遺伝的に犬アトピー性皮膚炎が多く発症します。
犬アトピー性皮膚炎は、主にアレルギーにより皮膚に炎症が起きて痒みが生じる病気です。
アレルギーの他にも、皮膚のバリア機能の低下や、常在菌のバランスの変化など、複数の要因が絡み合って痒みの症状が出ます。
1〜3歳頃の若い犬での発症が多いですが、高齢で発症する場合もあり、歳を追うごとに悪化する傾向があります。
治る病気ではなく、痒み止めの薬やスキンケアなどで痒みが出ないように付き合っていきます。
脂漏症
脂漏症とは、ターンオーバー(皮膚の細胞の生まれ変わり)のサイクルが乱れ、皮脂が過剰になりフケやべたつきが出る病気です。
シーズーは元々皮脂の多い犬種であるため、脂漏症になりやすいです。
生まれつきの体質以外にも、犬アトピー性皮膚炎やホルモン性の病気など、他の原因によって脂漏症になる場合もあります。
シーズーの脂漏症では、皮膚のべたつきと独特の脂っぽいにおい、痒みや赤みがみられます。
炎症が慢性化すると皮膚が分厚くなり、黒く色素沈着を起こします。
脇の下や内股、顔のしわなど、擦れる部分に症状が出やすいです。
マラセチアや細菌の増殖を伴いやすく、症状が更に悪化します。
マラセチア皮膚炎
マラセチアとは皮膚にいる真菌の1種です。
常在菌のため健康な犬の皮膚にもいますが、何らかの原因で増えすぎてしまうことで皮膚炎を起こします。
マラセチアは皮脂を好むため、皮脂の多いシーズーではマラセチア皮膚炎になりやすいです。
犬アトピー性皮膚炎の犬もマラセチア皮膚炎になりやすく、またマラセチア皮膚炎によってアトピーの症状も悪くなります。
シーズーの皮膚病への対策
シーズーの皮膚病を予防するためには、皮脂を抑えることが大切です。
犬アトピー性皮膚炎もマラセチア皮膚炎も、皮脂が多いことで悪化しやすくなります。
シーズーの皮膚病のケアとしてできることをご紹介します。
シャンプー
脱脂効果のあるシャンプーを行うことで、脂漏症や皮脂を一因として発症する皮膚病を抑えることができます。
ただし、皮膚のバリア機能が低下している場合には、洗浄力の強いシャンプーにより逆に皮膚の状態が悪化してしまうため注意が必要です。
マラセチアの増殖がある場合には抗真菌剤が配合されたシャンプーを使うことも有効です。
保湿
皮膚がべたべたしているのに保湿も必要なの?と疑問に思われるかもしれません。
皮脂が過剰になる原因として皮膚の乾燥やバリア機能の低下が考えられるため、改善のために保湿をしてあげたほうが良いでしょう。
皮脂を落とすためのシャンプー剤は洗浄力が強いため、洗浄後には必ず保湿剤も併用することをおすすめします。
犬アトピー性皮膚炎のケアとしても保湿は有効です。
食事やサプリメント
栄養バランスが偏ったフードによって皮脂が増えることもあるため、栄養の整ったフードを選ぶよう心がけましょう。
皮膚に良い成分を含むフードやサプリメントが効果的なこともあります。
温度湿度の管理
どの犬種でも夏場は皮膚病にかかりやすいですが、シーズーは特に高温多湿の環境に弱いです。
エアコンや除湿機などを使ってなるべく快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
まとめ
シーズーは皮膚病が多い犬種です。
シーズーの皮膚病は体質によるところが大きいですが、皮膚の状態に合う治療やスキンケアを行うことで症状を改善することができます。
個々の犬やご家庭の状況に合わせて、続けていけるケアを考えていきましょう。
シーズーの皮膚の痒みやべたつきにお悩みの飼い主様は、ぜひ当院にてご相談ください。
京田辺・八幡・枚方・長尾の動物病院
松井山手動物病院


柴犬でよくみられる皮膚病について解説|犬アトピー性皮膚炎の代表犬種
2025年06月07日カテゴリ|コラム
柴犬でよくみられる皮膚病について解説|犬アトピー性皮膚炎の代表犬種
柴犬は、犬らしいしっかりとした体格をもつ反面、愛らしい表情や仕草でとても人気の犬種ですよね。
実は、皮膚の痒みに悩む柴犬が多いことはご存知でしょうか。
柴犬は特にアレルギーによる痒みを起こしやすい犬種なのです。
今回は柴犬でよくみられる皮膚病と、皮膚病のケアのためにできることについて解説します。
柴犬の特徴
柴犬は、飼い主様への忠誠心が強く勇敢で賢い性格が魅力です。
一方で、警戒心が強くてデリケートな性格であることが多く、他の犬や知らない人を威嚇し、攻撃的になってしまう犬もいます。
匂いや食べ物が変わるなど、環境の変化に敏感なことも多いです。
被毛はダブルコートで、オーバーコート(表面を覆う荒い毛)とアンダーコート(皮膚近くを覆う密な毛)の二重になっています。
季節の変わり目には換毛期となり毛が生え変わるので、大量に毛が抜けます。
柴犬でよくみられる皮膚病
柴犬でよくみられる皮膚病には次のものが挙げられます。
犬アトピー性皮膚炎
柴犬では、遺伝的要因があり犬アトピー性皮膚炎が多く発症するといわれています。
犬アトピー性皮膚炎は、様々な要因により皮膚が炎症を起こして痒みが出る病気です。
アレルギー性の病気といわれていましたが、皮膚のバリア機能の異常や、皮膚の常在細菌の乱れなど、様々な要因が複雑に組み合わさって発症することがわかってきました。
症状は痒みが中心で、舐めたり掻いたりすることで皮膚の赤みや薄毛がみられます。
高温多湿になる夏場に痒みが強くなるなど、季節性がみられることが多いです。
多くは1〜3歳の若齢で発症しますが、高齢で発症することもあり、年々悪化する傾向にあります。
治る病気ではなく、痒みに合わせたケアを行ってなるべく痒みが出ないように治療していきます。
食物アレルギー
食物アレルギーでは、フードの原材料となる小麦や肉類などに対してアレルギー反応を起こします。
どの年齢でも発症しますが、特に1歳まで、または7歳を超えてからの発症が多いです。
痒みの出方が犬アトピー性皮膚炎と非常によく似ており、症状だけでは区別できません。
時間をかけて治療や食事の変更を試していくことで、痒みと食べ物の関連があるかを調べます。
原因となる食材がわかれば、その食材を除いた食事を与えることで痒みを改善できます。
アトピー性皮膚炎と併発することもよくあります。
マラセチア皮膚炎
マラセチアとは、犬の皮膚に生息する真菌の1種です。
常在菌であり健康な皮膚にも存在していますが、何らかのきっかけで過剰に増殖すると皮膚炎を起こします。
マラセチア皮膚炎を起こすと、皮膚の赤みや肥厚、べたつきやフケなどがみられ、痒みを伴います。
犬アトピー性皮膚炎の犬では皮膚のバリア機能が低下しているため発症しやすく、また犬アトピー性皮膚炎の増悪因子ともなります。
膿皮症
膿皮症は、皮膚で細菌が増えて炎症を起こす疾患です。
特に夏場はあらゆる犬で発症しますが、元々アレルギーによる皮膚の痒みがある犬でも発症しやすくなります。
皮膚の赤みやフケがスポット状にみられ、感染の広がりとともに病変が増えていきます。
柴犬の皮膚病への対策
柴犬が痒がっているときには、次のようなケアを行ってあげましょう。
保湿
特に犬アトピー性皮膚炎の犬では、皮膚のバリア機能が低下していることが多いです。
日常的に保湿を行うことで、皮膚のバリア機能が高まり痒みを軽減することができます。
シャンプー
皮膚の悩みに合わせてシャンプー剤を選び、適切な方法で洗ってあげることが大切です。
アレルギーや皮膚の乾燥による痒みでは、保湿機能のあるシャンプー剤を使いましょう。
マラセチア皮膚炎や膿皮症など感染による皮膚炎を繰り返す場合には、抗菌作用のあるシャンプー剤を定期的に使用することで予防ができます。
シャンプーを行うこと自体が皮膚の刺激や乾燥に繋がるため、ぬるま湯でこすりすぎないように洗い、しっかりと流してあげることが大切です。
ブラッシング
換毛期には毛の生え替わりが気になって、痒がるような仕草をする柴犬もいます。
ブラッシングを行ってあげることで、毛の生え替わりの違和感を軽減し、皮膚が蒸れることによる皮膚トラブルを予防してあげることができます。
食事やサプリメント
食物アレルギーの場合には、原因となるタンパクを含まない食事によって痒みを改善できる可能性があります。
皮膚に良い成分が含まれる食事やサプリメントによっても痒みを軽減できることがあります。
まとめ
柴犬は、皮膚に痒みの症状があることが多い犬種です。
痒みがあると、体を掻いたり舐めたり、頭を振ったりなどの様子がみられます。
痒みの原因や皮膚の状況など、その子に合わせた治療やケアが必要です。
皮膚に症状のある柴犬さんはお気軽に当院までご相談ください。
京田辺・八幡・枚方・長尾の動物病院
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犬の副腎皮質機能亢進症について|その皮膚トラブルは病気のサイン?
2025年05月28日カテゴリ|コラム
犬の副腎皮質機能亢進症について|その皮膚トラブルは病気のサイン?
「うちの犬、皮膚を掻いたりもしていないのに毛が抜けてきた。」
「犬の皮膚の治療を受けているけれど、全然良くならない。」
「他に病気が隠れているんじゃないかしら。」
ということでお困りではないですか?
犬に多い内分泌疾患に副腎皮質機能亢進症という病気があり、皮膚にもトラブルが起きることがあります。
今回は犬の副腎皮質機能亢進症について詳しくお話していきます。
特に皮膚トラブルにフォーカスを当てて解説していきますので、犬の皮膚疾患についてお悩みの方は参考にしてみてください。
副腎皮質機能亢進症とは
副腎皮質機能亢進症とは副腎から出るホルモンが出すぎてしまう病気です。
このホルモンはコルチゾールといいます。
通常であれば血圧が低くなりすぎないように保ったり炎症を抑えたりするという役割があり、必要不可欠なホルモンです。
しかしこのホルモンが増えすぎてしまうと、犬の体に様々な不都合が起こってしまいます。
副腎皮質機能亢進症は別名「クッシング症候群」と呼ばれています。
副腎皮質機能亢進症は中高齢の犬で比較的よくみられる内分泌疾患です。
副腎皮質機能亢進症の症状
副腎皮質機能亢進症では
- 多飲多尿(たくさん水を飲み、たくさんおしっこをする)
- 過食
- 腹部膨満
- 皮膚の異常
などの症状がみられます。
多飲多尿
副腎皮質機能亢進症の犬で最もよく見られる症状です。
「最近よくお水を飲むし、おしっこも多くなった気がする。」
と思ったら、1日の飲水量を測ってみてください。
1日に飲む水の量が体重1kg当たり100mlを超えたら注意が必要です。
腹部膨満
コルチゾールには「異化作用」という作用があります。
異化作用とはタンパク質を分解して糖に変換する作用です。
この作用が過剰になると、筋肉中のタンパク質まで分解してしまい、筋力が落ちることが多いです。
そのほかにも肝臓が腫大したり内臓脂肪の増加も起こります。
筋肉が落ち、肝臓が腫れ、内臓脂肪が増えるとお腹が膨れてきます。
皮膚の異常
副腎皮質機能亢進症では多くの症例で皮膚トラブルがみられます。
具体的にはどんな症状がみられるのか、詳しく解説していきます。
皮膚が薄くなる
皮膚が薄くなり、いつもはあまり見えない血管が透けて見えることもあります。
皮膚が薄くなりすぎて、裂けてしまうこともあります。
脱毛
左右対称性の脱毛が特徴的です。
脱毛は徐々に進行し、範囲が広がっていきます。
副腎皮質機能亢進症の脱毛は、かゆみがない点で他の皮膚疾患との鑑別ができます。
皮膚炎が併発しているとかゆみが出ることもあります。
皮膚の石灰化
副腎皮質機能亢進症が進行すると、皮膚にカルシウム成分が沈着して石灰化が起こることもあります。
皮膚が石灰化すると、硬くゴツゴツした触り心地になります。
皮膚の感染症の併発
副腎皮質機能亢進症では免疫力が低下します。
皮膚の免疫力も下がるため皮膚の感染症が併発することもあります。
この場合は皮膚炎に対する治療で完治することは期待できません。
根本の原因である副腎皮質機能亢進症の治療が必要です。
副腎皮質機能亢進症の治療
副腎皮質機能亢進症の治療には
- 内科治療
- 外科治療
- 放射線治療
がありますが一般的には内科的に治療することが多いです。
今回は内科治療について解説していきます。
内科治療
副腎皮質機能亢進症の内科治療では飲み薬によってコルチゾールの過剰分泌を抑えます。
しかしコルチゾールの分泌を抑えすぎるとかえって危険です。
定期的に血液検査をして、適正にコントロールできているかを確認します。
検査結果に応じて薬用量を調整することが必要です。
皮膚炎が起こっている時には原因を特定し、細菌や寄生虫に対する治療を行います。
外耳炎が起きている場合には点耳薬を使うこともありますが、なるべくステロイドが含まれていないものを選択します。
医原性の副腎皮質機能亢進症の場合はステロイドの薬用量を減らすことが治療になりますね。
まとめ
犬の副腎皮質機能亢進症は一度発症してしまうと完治することが難しい病気です。
しかしなるべく早期に発見し、治療を始めることで良好にコントロールすることが可能です。
特に皮膚のトラブルは悪化してしまうと、元の状態に戻すのにはかなり時間がかかってしまいます。
当院は皮膚科診療に力を入れている動物病院です。
皮膚症状から副腎皮質機能亢進症にアプローチして治療を行うことも少なくありません。
副腎皮質機能亢進症の症状に心当たりがありましたら、お気軽に当院にご相談ください。
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犬の僧帽弁閉鎖不全症が急変したらどうする?|急変時の対応を獣医師が解説
2025年05月21日カテゴリ|コラム
犬の僧帽弁閉鎖不全症が急変したらどうする?|急変時の対応を獣医師が解説
「動物病院で心臓病と診断されたから急変しないか不安…」
「急変した時にどう対応したらいいのかわからない」
こんなお悩みを抱えている犬の飼い主様は多いのではないでしょうか?
犬で一番多く診断される心臓病は僧帽弁閉鎖不全症という病気です。
実際犬の僧帽弁閉鎖不全症では急変することがあり、そのまま亡くなってしまうこともあります。
今回はその僧帽弁閉鎖不全症がどういう時に急変するのか、急変した時にどういう対応をしたらいいのかについて解説していきます。
ぜひ参考にしていただき、いざという時に備えていただけると幸いです。
犬の僧帽弁閉鎖不全症とは
僧帽弁閉鎖不全症は、僧帽弁という心臓の中の弁に異常を来たし、心臓の中で血液が逆流してしまう病気です。
血液が多少逆流するだけだと無症状に見えるため、僧帽弁閉鎖不全症は発見が遅れることが多いですね。
そのまま血液の逆流が続くと心臓が大きくなり、気管を圧迫し、咳が出るようになり、飼い主様の目からも症状が出ていることがわかるようになります。
さらに逆流が続くと肺の血管まで血液が逆流し、肺の血管から水が滲み出すことで、肺水腫という状態になります。
肺水腫とはいわゆる心不全という状態で「常に溺れている状態」ですね。
恐ろしいことに肺水腫は緊急治療をしないと命を落としてしまいます。
犬の僧帽弁閉鎖不全症が急変するのは?
ここまで解説したように、犬の僧帽弁閉鎖不全症は僧帽弁での逆流が継続することにより徐々に悪化していくものです。
しかし、中には急激に悪化することもあります。
ここではどういう状況になったら僧帽弁閉鎖不全症が急変するかについて解説していきます。
腱策断裂による肺水腫
僧帽弁は腱策という糸のようなもので、血液が逆流しないように僧帽弁を制御しています。
「パラシュートのひも」のような構造で、僧帽弁が反転しないようにしています。
この腱策が何らかの原因で断裂してしまうことを腱策断裂といいます。
腱策断裂を引き起こすと僧帽弁が制御できなくなり、一気に血液の逆流量が増えるため、無症状だった状態から急に肺水腫を引き起こすことがあります。
肺水腫を引き起こすと
- 苦しくて異常に呼吸が早くなる
- 舌の色が紫色になる(チアノーゼ)
- ピンク色の水を吐き出す(喀血)
という症状が見られます。
不整脈
心臓の正常な脈は、心臓を通る電流により作られています。
犬の僧帽弁閉鎖不全症では、心臓は大きくなり、心臓の筋肉が線維化し、正常な電流が流れなくなることがあります。
それにより時には不整脈が引き起こされ、失神することがあります。
犬の僧帽弁閉鎖不全症を急変させないためには
犬の僧帽弁閉鎖不全症が急変するタイミングを予測することはできません。
しかし、僧帽弁閉鎖不全症を急変させないよう日頃から手を打つことはできます。
ここでは僧帽弁閉鎖不全症を急変させないためにできることを解説していきます。
血圧を上げない
僧帽弁閉鎖不全症を悪化させないためにできることの一つに、血圧を上げないということがあります。
血圧が上がると僧帽弁にかかる圧力が増えたり、逆流量が増えることで、肺水腫や不整脈が起こりやすくなります。
では血圧を上げないためにはどのようなことをすれば良いのでしょうか?
興奮させない
犬は興奮すると血圧が上がります。
犬が興奮するのは以下のような状況が挙げられます。
- インターホンの音がなった時
- パトカーや救急車のサイレンが聞こえた時
- 急な来客が会った時
- 散歩中に仲の悪い犬に会った時
このような状況には極力遭遇しないように配慮しましょう。
食事に気をつける
血圧を上げるものの一つに食事中の塩分が挙げられます。
犬用のペットフードであれば過度な塩分は入っていないため問題はありません。
しかし、人間用の食事には犬にとっては過剰な塩分が含まれています。
「これくらいなら大丈夫だろう」
と油断せず、人間用の食事は絶対に与えないようにしましょう。
定期的に動物病院を受診する
いかに普段から悪化しないような対策を講じていたとしても、実は水面下で状態が悪化していることもあります。
動物病院で定期的に検診を受けることで、今の状態を正確に判断することができ、場合によっては薬を飲むことで急変を予防できることができます。
動物病院で診察を受けるときは、獣医師の再診の指示を必ず聞くようにしましょう。
犬の僧帽弁閉鎖不全症が急変したらどうする?
日頃からどれだけ気をつけていたとしても、犬の僧帽弁閉鎖不全症は急変してしまうことがあります。
僧帽弁閉鎖不全症が急変した場合にすべきことは
「すぐに動物病院を受診すること」
です。
かかりつけの動物病院が休診の場合は、次の日まで様子を見たりせず、夜間救急に問い合わせましょう。
動物病院に到着したら、すぐに緊急対応してもらえるよう受付で今の症状を伝えることが大事です。
すぐに緊急対応をするには動物病院にも準備が必要です。
動物病院まで移動している途中でもいいので、今から受診する旨を電話で伝えておきましょう。
まとめ
犬の僧帽弁閉鎖不全症は基本的に徐々に進行する病気です。
しかし、予期せぬタイミングで急変することもある病気です。
いざその時になった場合、大事な愛犬を助けるために今のうちに正しい知識をつけておきましょう。
当院は動物循環器認定医による犬と猫の心臓病治療に力を入れています。
もし犬と猫の心臓病でお困りの方はいつでも当院までご相談ください。
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犬の天疱瘡|犬の顔に水ぶくれやカサブタそして脱毛。天疱瘡とはどんな病気?
2025年05月14日カテゴリ|コラム
犬の天疱瘡|犬の顔に水ぶくれやカサブタそして脱毛。天疱瘡とはどんな病気?
犬の皮膚病に天疱瘡という病気があります。
天疱瘡とは免疫が自分の皮膚を攻撃してしまう自己免疫性疾患の1つです。
犬でよく見られる犬アトピー性皮膚炎や膿皮症などとは異なり、あまり聞き慣れない病気かもしれません。
「天疱瘡ってどんな病気なの?」
「犬が天疱瘡になってしまったらどうしたらいいの?」
という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
今回はこの犬の天疱瘡について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の天疱瘡についての理解を深めましょう。
犬の天疱瘡とは
犬の天疱瘡は自己免疫性疾患の1つです。
免疫に異常が起きて自分の皮膚を攻撃してしまうことで皮膚に症状が現れます。
病変が現れる部位や症状によって
- 落葉状
- 紅斑性
- 尋常性
- 増殖性
の4つに分類されます。
犬では落葉状天疱瘡が最も多く、その次に尋常性天疱瘡が多いです。
増殖性天疱瘡は稀です。
発症は4〜5歳の犬に多いといわれています。
好発犬種には
- 秋田犬
- ドーベルマン
- チャウチャウ
- ジャーマンシェパードドッグ
- ミニチュアダックスフント
- ニューファンドランド
などが挙げられます。
犬の天疱瘡の原因
犬の天疱瘡は、免疫に異常が起きて自分の皮膚のタンパク質を攻撃してしまうことで起こります。
攻撃の標的になるのは皮膚の細胞間を接着させているタンパク質です。
細胞間の接着が障害されることで皮膚にトラブルが起きて症状が現れます。
紫外線が悪化要因の1つとも言われていますが詳しくはまだわかっていません。
天疱瘡は一般的には夏に発症することが多く、悪化する症例も夏に多いと言われています。
紫外線が強くなる夏に多い病気ということは、紫外線が関連している可能性は高いのかもしれませんね。
犬の天疱瘡の症状
犬の天疱瘡では皮膚や口の中に
- 水疱
- びらん
- かさぶた
- 脱毛
などができます。
犬で多い落葉状天疱瘡では最初に病変部が赤くなり、次に水疱になり、それが破れてかさぶたになるというように症状が進行していきます。
落葉状天疱瘡では主に
- まぶた
- 鼻筋
- 耳
- 肉球
- 指の間
などに症状がみられることが多いです。
かゆみの程度は様々ですが、二次的に感染がある時には強いかゆみが出ることもあります。
「犬の鼻にカサカサしたかさぶたがある。」
「犬の皮膚に水ぶくれのようなものがある。」
こんなことがあったら、なるべく早く動物病院を受診しましょう。
犬の天疱瘡の診断
犬の天疱瘡を診断するには、症状がある部分の皮膚を検査します。
細菌培養検査を行うことで他の皮膚疾患との鑑別を行います。
しかし天疱瘡が進行していると細菌感染も併発していることがあるため、鑑別が難しいです。
確定診断をするためには病変部分の組織を病理検査に出します。
病理検査では、組織学的検査や免疫組織学的検査と呼ばれる詳しい検査を行います。
犬の天疱瘡の治療
犬の天疱瘡は自己免疫疾患です。
天疱瘡の治療では免疫の異常な働きを抑えるために、ステロイドや免疫抑制剤を使用します。
薬の投与は長期間に及ぶことが多いです。
皮膚の症状をみながら、改善していれば薬の量を減らしていきます。
また、細菌感染が併発している場合は抗生物質を合わせて使用することもあります。
犬の天疱瘡はコントロールが難しく再発も多いです。
獣医師としっかりと相談しながら適切な投薬を行いましょう。
犬の天疱瘡の予防
犬の天疱瘡には確実な予防方法はありません。
紫外線は天疱瘡の悪化要因ともいわれています。
紫外線への対策は有効かもしれません。
- 外出時には服を着せる
- 屋外飼育の場合は屋根を広くする
などの方法を試してみるのもいいですね。
まとめ
天疱瘡は一度発症すると長期的な治療が必要な病気です。
犬の皮膚にかさぶたや水疱などの症状が見られたらなるべく早く動物病院に行きましょう。
治療が始まったら根気強く通院することが必要です。
当院は皮膚科診療に力を入れています。
犬の皮膚トラブルについてのご相談がありましたら、ぜひ当院にお問い合わせください。
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