犬の耳がかゆそう?|犬の耳にかゆみを引き起こす原因とサインについて解説
2026年03月21日カテゴリ|コラム
「最近、犬がしきりに耳をかいている」
「頭をぶんぶん振ることが増えた」
「耳が赤くて、なんだか臭いがする」このような様子が見られると、
「少しかゆいだけかな」「様子を見ても大丈夫かな」
と考えてしまう飼い主様も多いかもしれません。
しかし、犬の耳のかゆみはアレルギーや感染症など、犬の耳に異常が起きているサインであることがほとんどです。
犬のかゆみを放置してしまうと、痛みやかゆみの慢性化の原因になることもあります。
今回は、犬の耳のかゆみについて
- かゆくなりやすい理由
- サイン
- 原因
- 検査と治療
- 自宅で注意したいこと
について、できるだけわかりやすく解説します。
愛犬の耳に異変を感じた際に、参考にしていただければ幸いです。
犬の耳にかゆみが起こりやすい理由
犬の耳は耳の通り道である耳道が長く、L字型をしています。
この構造により犬は耳の奥が蒸れやすく、汚れや分泌物がたまりやすい構造です。
犬の耳の皮膚はとてもデリケートで、
- 湿気
- 皮脂
- アレルギー反応
- 細菌や真菌
などの影響を受けやすく、かゆみや炎症が起こりやすい部位といえます。
犬の耳の中に炎症が起きている状態を外耳炎と呼びます。
外耳炎のような耳をかゆがる行動は、「耳の中で何か不快なことが起きている」という犬からの重要なサインなのです。
犬の耳がかゆいときに見られるサイン
犬の耳のかゆみは、次のような行動や変化として現れます。
- 耳をしきりに後ろ足でかく
- 頭を頻繁に振る
- 耳が赤く腫れる
- 耳から独特の臭いがする
- 黒や黄色の耳垢が増える
これらは外耳炎をはじめとする犬の耳がかゆいときによく見られるサインです。
耳のかゆみは犬が耳を掻くことでさらにかゆみを引き起こします。
「少し耳がかゆそうだけど様子を見ようかな」と思っていると、翌日にはさらに悪化していることもあります。
犬が耳をかゆそうにしているときは、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。
犬の耳にかゆみを引き起こす原因
犬の耳のかゆみはさまざまな原因によって引き起こされます。
犬の耳にかゆみを引き起こす代表的な原因を解説していきます。
マラセチア性外耳炎
マラセチア性外耳炎とは、マラセチアと呼ばれる真菌が耳の中で過剰に増殖することで起こる外耳炎です。
マラセチアが増えることで、
- 強いかゆみ
- 赤み
- べたつく耳垢
- 酸っぱい臭い
などが犬の耳に見られるようになります。
マラセチアは正常な耳にも少数存在する常在菌の一種です。
マラセチアは湿度が高い環境で増殖しやすいので、垂れ耳の犬種でマラセチア性外耳炎は発症しやすい傾向があります。
マラセチア性外耳炎は他の外耳炎によって二次的に発症することも多いです。
耳の中でマラセチアが過剰に増殖している場合は、他に外耳炎を引き起こす原因が存在しないか確認することが重要です。
アトピー性皮膚炎・食物アレルギー
犬のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーはハウスダストや食べ物などアレルギー原因物質が体内に取り込まれることで起きるアレルギー性の皮膚炎です。
犬のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーでは以下の部位にかゆみを引き起こします。
- 顔周りや耳
- 脇
- お腹
- 内股
- 足先や指間
犬のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーは耳が最初の症状として現れることもあります。
- 両耳にかゆみがある
- 繰り返し耳がかゆくなる
- 他の部位にもかゆみがある
といった場合、アレルギーが背景にある可能性が考えられます。
外耳炎の背景にアレルギーがある場合は、耳だけでなく全身の皮膚状態を含めた治療が必要になります。
細菌性外耳炎
細菌性外耳炎とは、耳の中にいる常在菌と呼ばれる細菌が過剰に増殖することで引き起こされる皮膚炎です。
細菌性外耳炎は単独で起こすことは少なく、アトピー性皮膚炎やホルモン異常の病気が原因で二次的に引き起こされる傾向があります。
ミミヒゼンダニ症
ミミヒゼンダニ症とは、ミミヒゼンダニという耳の中に寄生するダニが引き起こす病気です。
ミミヒゼンダニ症は、
- かゆみが強い
- 黒く乾いた耳垢が出る
- 激しく頭を振る
といった症状が特徴です。
ミミヒゼンダニは感染力が強く、他の犬にうつることがあります。
とくに子犬や多頭飼育環境では注意が必要です。
異物や外傷
散歩中に草の種や小さなゴミが耳に入ることで、
- 突然の強いかゆみ
- 片耳だけを激しく気にする
といった症状が出ることがあります。
無理に異物を取ろうとすると、犬の耳の中を傷つけてしまう可能性があります。
犬の耳の中に異物が入ってしまった場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
ホルモン異常の病気
犬の甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などのホルモン異常の病気は皮膚のバリア機能を低下させ、感染を起こしやすくします。
ホルモン異常の病気がある場合は外耳炎を含む皮膚炎を繰り返すことがあります。
耳のかゆみを繰り返す場合は耳の検査だけでなく、血液検査でホルモンに異常がないか確認することも必要です。
犬の耳にかゆみがあるときに行われる検査と治療
犬の耳にかゆみを引き起こす原因は、見た目だけで原因を判断することはできません。
犬が耳をかゆがっている場合は、
- 耳鏡による耳道の観察
- 耳垢の顕微鏡検査
- 細菌培養検査
- ホルモン検査
などを行い、耳のかゆみの原因が特定されます。
耳のかゆみの治療は原因に応じて、
- 点耳薬
- 内服薬
- 耳洗浄
- アレルギー治療
を組み合わせて行われます。
犬の耳のかゆみは症状の再発防止も含めて、原因に合わせた治療が大切です。
犬の耳がかゆいときに自宅で注意したいこと
愛犬が耳をかゆがっている様子を見ると「なんとかしてあげたい」と思いますよね。
しかし自宅での耳掃除などが耳の状態を悪化させてしまうこともあります。
犬が耳をかゆがっているときに自宅で注意したことをいくつか紹介します。
- 無理な耳掃除はしない
- 人用の薬や消毒薬を使わない
- シャンプー後は耳をしっかり乾かす
- 犬が耳を掻き壊さないように注意する
- かゆみが強い場合は早めに動物病院を受診する
外耳炎の症状がある場合は市販のイヤークリーナーの使用も獣医師へ相談してください。
まとめ
犬の耳のかゆみは、アレルギーや感染症などさまざまな原因で引き起こされます。
これらの原因が重なって症状を引き起こしている場合も多いので、原因の見極めはとても大切です。
犬の耳のかゆみは適切な診断と治療を行うことで、再発を防ぎやすくなります。
当院では犬の耳のかゆみを含む皮膚科診療に力を入れています。
「外耳炎を繰り返してる」「今の治療で合っているのか不安」という場合には、ぜひ当院に一度ご相談してください。
松井山手・八幡・枚方・長尾の動物病院
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