トイプードルでよくみられる皮膚病について|ご家庭でもできる対策とは?
2025年10月28日カテゴリ|コラム
トイプードルでよくみられる皮膚病について|ご家庭でもできる対策とは?
トイプードルは、ふわふわとした毛とかわいらしいお顔から、とても人気の犬種です。
人懐っこくしつけもしやすいため、初めて犬を飼う方でも飼いやすいのも魅力ですね。
しかし、トイプードルにはかかりやすい皮膚病があることをご存知でしょうか?
今回は、トイプードルでよくみられる皮膚病について、ご家庭でできる対策とともにご紹介します。
トイプードルを飼っている方はぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚をケアする際のご参考にしていただければ幸いです。
トイプードルの特徴
トイプードルという犬種はプードルを小型化したものです。
プードルは元々、狩猟の際に水辺のカモを回収する猟犬でした。
上記の役割から、トイプードルも水を弾きやすい皮膚であり、皮脂が多めであるのが特徴です。
トイプードルには毛が抜けづらいという特徴もあります。
通常、犬の毛は
- 成長期
- 退行期
- 休止期
という毛周期をくり返すものです。
しかし、トイプードルはほぼ100%の毛が成長期であるため、毛が抜けずに伸び続けます。
トイプードルに多い皮膚病
トイプードルに多い皮膚病には、以下のようなものがあります。
犬アトピー性皮膚炎
トイプードルでは、遺伝的素因があるために犬アトピー性皮膚炎を起こしやすいと言われています。
犬アトピー性皮膚炎は、
- 環境中のアレルゲンに対するアレルギー反応
- 皮膚のバリア機能の低下
- 皮膚常在菌のバランスの乱れ
などが原因で発症します。
犬アトピー性皮膚炎になると、皮膚が赤くなったり、痒がったりするようになります。
脂漏症
脂漏症は、皮脂分泌が過剰になったり、皮膚のターンオーバーが乱れたりすることで起きます。
脂漏症の症状には、
- 皮膚が脂っぽくベタベタする
- 独特なにおいがする
- 痒みや赤みを伴う
といったものがあります。
皮膚が重なる場所に症状が出やすく、主な発症部位には、
- 脇
- 指の間
- 内股
などが挙げられます。
脂漏症の皮膚は、真菌(カビ)や細菌が増殖しやすく、症状が悪化しやすいため注意が必要です。
膿皮症
膿皮症は、主にブドウ球菌が異常に増殖することで起きる皮膚炎です。
膿皮症の症状には、
- 脱毛する
- 痒みや赤みを伴う
- 湿疹や水疱ができる
- フケがでる
といったものがあります。
ブドウ球菌は犬の健康な皮膚にも存在しますが、
- ジメジメとした環境
- バリア機能が低下している皮膚
では異常に増殖し、膿皮症を起こします。
犬アトピー性皮膚炎や皮脂バランスの崩れた犬では、バリア機能も低下するため、膿皮症を発症しやすいです。
心因性掻痒症
心因性掻痒症とは、ストレスが原因で、
- 皮膚をしつこく舐める
- 皮膚を何度も噛む
- 毛をむしる
といった行動が見られる病気です。
トイプードルは賢く繊細なため、環境の変化や長時間の留守番などからストレスを感じ、発症してしまうことが多いのです。
トイプードルの皮膚病への対策
トイプードルの皮膚病を予防するには、
- 皮脂が過剰にならないようにする
- 皮膚のバリア機能を維持する
- ストレスをできる限り減らす
といった対策が効果的です。
具体的にご家庭でできる対策についてご紹介します。
シャンプー
シャンプーをすることで、皮膚の汚れや過剰な皮脂を取り除くことができます。
皮膚を衛生的に保つためにも、定期的にシャンプーすると良いですね。
シャンプーには、
- 脱脂作用の強いもの
- 保湿に特化したもの
- 抗菌成分を含むもの
など、さまざまな種類があります。
愛犬の皮膚の状態に合わせて、適切なシャンプーを選びましょう。
保湿
健康な皮膚を保つためには、保湿も重要です。
保湿をすることで、皮膚のバリア機能を維持することができ、皮膚病の予防につながります。
定期的なトリミング
トイプードルはトリミングが必要な犬種です。
伸びすぎた毛や毛玉は皮膚を不衛生にしてしまうため、定期的にトリミングを行いましょう。
腸内細菌叢の正常化
腸内細菌叢のバランスが正常に保たれていると、免疫機能が高まり、皮膚のバリア機能を維持することにもつながります。
栄養バランスの良いフードを使用するほか、乳酸菌などプロバイオティクスのサプリメントを活用するのもおすすめです。
ストレスの緩和
犬にストレスがかかっている場合でも、原因を排除するのがなかなか難しいことも多いですよね。
ストレスの緩和のために、
- リラックス成分を含むサプリメントの活用
- 犬との触れ合いの時間を増やす
- 散歩やボール遊びなど運動させる
などを取り入れていただくのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
トイプードルは毛や皮膚の特徴から、さまざまな皮膚病を起こしやすい犬種です。
しかし、ご家庭でも皮膚病への対策を取り入れることで、皮膚病を予防したり症状を緩和したりすることができます。
当院は皮膚科にも力を入れております。
トイプードルの皮膚のベタつきや痒みでお悩みの方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
松井山手・八幡・枚方・長尾の動物病院
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