

犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージCとは|症状が現れたら早急な対応を
2025年08月21日カテゴリ|コラム
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージCとは|症状が現れたら早急な対応を
「最近、犬が咳をするようになった」
「散歩に行きたがらない、息が荒い」
「寝ているときに呼吸が苦しそう」
このような症状が見られる場合、犬の心臓に負担がかかっている可能性があります。
特に僧帽弁閉鎖不全症は、進行すると心臓病の症状が顕著になり、命に関わることもあるため注意が必要です。
今回は、僧帽弁閉鎖不全症のステージCについて、症状や治療、日常生活で気をつけるポイントを詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の心臓の健康を守る参考にしてください。
僧帽弁閉鎖不全症とステージ分類(ACVIM分類)
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の弁がうまく閉じず血液が逆流して心臓に負担をかける病気です。
ACVIM分類により、進行度は次のように分けられます。
- ステージA:リスクはあるが心臓に異常なし
- ステージB1:心雑音あり、心拡大なし、無症状
- ステージB2:心拡大あり、無症状
- ステージC:症状が現れた心不全期
- ステージD:治療抵抗性の末期心不全
僧帽弁閉鎖不全症のステージCとは?
僧帽弁閉鎖不全症のステージCは、僧帽弁の逆流や心拡大が進行し、心不全の症状が現れた状態です。
ステージCでは心臓からの血液の送り出しが十分に行えず、肺に水がたまる肺水腫の発生や、全身に酸素や栄養が行き渡らないために食欲不振や疲れやすさが見られます。
この段階では、犬は非常に苦しい状態に陥りやすく、早急な対応が必要です。
症状の具体例としては
- 咳
- 苦しそうな呼吸
- 散歩や運動を嫌がる、疲れやすい
- 食欲不振、元気消失、体重減少
- 横になったときに呼吸が苦しくなる
などがあげられます。
ステージCの段階になると、症状の進行が早く急変の可能性も高くなります。
僧帽弁閉鎖不全症は急変すると命に関わることもあるため、早急な対応が必要です。
ステージCの症状が見られる場合には迷わずすぐに動物病院を受診しましょう。
ステージCの治療とケア
犬の僧帽弁閉鎖不全症のステージCでは、心不全の症状を改善し、犬のQOL(生活の質)を守るため、治療が本格的に行われます。
治療は主に内科治療で強心薬を使用して心臓のポンプ機能をサポートし、心臓の働きを維持する治療です。
合わせて利尿薬や血管拡張薬を使うことで、肺水腫による呼吸困難を和らげたり、心臓への負担を軽減し、血流を改善したりする治療も行います。
この段階では、薬物治療が命を守るカギとなるため、症状に気づいたらすぐに受診し、獣医師と相談して適切な治療を開始しましょう。
特にステージCは進行が早く、1日単位で状態が悪化する可能性があります。
僧帽弁閉鎖不全症の治療中も何か体調や症状に変化があった場合には、動物病院を受診するようにしてください。
日常生活で気をつけたいポイント
ステージCでは、日常生活の管理も重要です。
塩分控えめの食事
心臓に負担のある塩分を含む食事は控えていきましょう。
心臓病用療法食や、低ナトリウムの食事をとることで心臓の負担を軽減できる可能性があります。
運動制限
無理な散歩や激しい運動は避けて心臓の負担を減らす必要があります。
特に咳や呼吸の状態が悪い場合には、安静が必要です。
室温管理
息苦しさを軽減するため、室温や湿度を快適に保ちます。
こまめな観察
ステージCの段階では急変の可能性があります。
犬の呼吸数、食欲、元気の有無、咳の有無などを毎日チェックし、異変があれば早めに動物病院を受診しましょう。
まとめ
犬の僧帽弁閉鎖不全症ステージCは、「症状が現れた心不全期」です。
咳や息切れ、食欲不振といったサインを見逃さず、早期の受診と治療が命を守るカギとなります。
ステージCの段階で症状が進行すると、命に関わることもあるため様子見をせずに動物病院を受診しましょう。
当院では、循環器診療に力を入れており、ステージCの診断・治療・生活管理までサポートしています。
「咳が増えた」「なんだか元気がない」など気になる症状があれば、ぜひ早めにご相談ください。
愛犬の心臓を守るために、今からできることを始めましょう。
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