誤食に注意!!
こんにちは。
院長の奥田です。
今年は暖冬に加え、梅雨みたいな天気がしばらく続くそうですね((+_+))
雪ならテンション上がるのですが、雨はげんなりです。。。。
さて、今回は身近に起こりやすい怖い病気をご紹介します。
*以下に手術中の写真があります。ご覧になられるときはご注意ください。
数日前から2日に1回くらい吐いちゃうと来られた、まだまだ若い7か月のラブラドールレトリバーの女の子。
食欲もあり、診察時は元気いっぱい!
よくよく話を伺うと色んなものを食べちゃうとのこと。。。。
思い当たるものはクッションの綿。
なんでかわんちゃん結構好きな子が多いんです(*_*)
美味しくないと思うんですが。。。。
困ったことに、綿や繊維はレントゲンにうつりません!
レントゲンは金属はきれいにうつってきますが、プラスチックや繊維はうつらないんです。
腹部エコー検査で胃腸のふくらみなどを検査し、異常な拡張がなかったため対症療法を行いました。
が、その翌日、何度も嘔吐し下血、ぐったりで来院。
レントゲンを撮ってみるもやはり明らかな異物はうつらず、ただエコー検査で前日にはなかった胃腸の拡張と怪しい陰影が見えたため急遽緊急手術となりました。
開腹してみると、腸は全体的に変色し、複数個所膨らんだ腸の中に固いものが。
そう、『腸閉塞』です(>_<)
腸閉塞とは、腸に異物などが詰まり、食べたものがうまく流れてくれない病気です。
この腸閉塞には、
・不完全閉塞:いわゆる半詰まり。詰まっては流れてを繰り返している状態。
・完全閉塞:完全に詰まってしまい、動かない状態。
があり、この子の場合は不完全閉塞だったものが完全閉塞になってしまったという状況でした(+_+)
不完全閉塞は、詰まった時にしか症状が出ないため診断が非常に難しくなります。
腸を切開して、詰まっているものを取り出してみると、綿と植物の茎など色んなものが絡まり繊維状になっていました。
これはレントゲンにはうつらない。。。。
胃と腸を複数個所切開し、詰まっていた異物を取り出し、切開部位を縫合したのですが、、、、腸の色があまりよくない(*_*)
異物によって腸がだいぶダメージを受けていたんです。
こんな時に一番心配なのが、ダメージを受けた腸が壊死をし、腸に穴が開いてしまうことです(>_<)
そうなると腸の中の細菌などがお腹の中にばらまかれ、命にかかわります。
ただ、つまむと動いてくれたため、広範囲な切除は行わず、万が一に備えて組織を使ってカバーをして閉腹しました。
術後2日はしんどそうでしたが、3日目から元気になり食欲もでてきました(*’▽’)
術後の経過も良く、無事退院となりました♪
異物による腸閉塞は、若い子で非常に多く認められます。
また、繰り返すことも多いため注意が必要です!!
この子もまた繰り返さないように願うばかりです(*´Д`)
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