

ポメラニアンの脱毛について|ふわふわの毛並みに異変を感じたら病気のサイン?
2025年09月28日カテゴリ|コラム
ポメラニアンの脱毛について|ふわふわの毛並みに異変を感じたら病気のサイン?
「最近ポメラニアンの毛が薄くなってきた」
「お尻や腰のあたりだけ毛が抜けて地肌が見える」
「全体的に毛量が減って、ふわふわ感がなくなった気がする」
そんな症状に気づいた飼い主様はいらっしゃいませんか?
ポメラニアンはふわふわの豊かな被毛が特徴の犬種ですが、脱毛が起こることも珍しくありません。
原因や対応を知っておくことで、早期に対処することができます。
今回は、ポメラニアンに多い脱毛の原因や治療法、注意点について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、ポメラニアンの脱毛に対する知見を深めてください。
ポメラニアンの脱毛でよくある病気とは?
ポメラニアンの飼い主様は「ポメはげ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
その名の通りポメラニアンがはげ、つまり脱毛してしまう状態です。
ポメラニアンに脱毛が見られる場合には、いくつか考えられる病気があります。
毛周期停止(ポメラニアン脱毛症)
ポメラニアンに特に多いとされているのが、「毛周期停止」と呼ばれる状態です。
「脱毛症X」「アロペシアX」とも呼ばれ、成犬になってから被毛の一部が薄くなり、その後に全身へ広がっていくのが特徴です。
Xという名前がついている通り、原因は明らかになっていません。
ホルモンバランスや毛周期の乱れが関係しているという説もありますが、はっきりとしたことはわかっていない病気です。
毛周期停止にかゆみや赤みといった皮膚炎症状はなく、見た目以外の不調は現れにくい傾向にあります。
しかし、ポメラニアンの美しい被毛が失われることで飼い主様にとって大きな悩みとなります。
内分泌疾患(ホルモンの病気)
ポメラニアンの脱毛の原因にはホルモンの病気が隠れていることがあります。
- 甲状腺機能低下症
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
といった病気が原因になります。
これらの病気では、脱毛とともに
- 元気がない
- 太りやすい
- 皮膚が乾燥する
などの症状を伴うことが多いのが特徴です。
アレルギーや皮膚炎
ポメラニアンの脱毛に加えてかゆみを伴う場合は、
- 食物アレルギー
- マラセチア性皮膚炎
- ノミアレルギー
なども考慮する必要があります。
脱毛の周囲に赤みやフケ、かさぶたがある場合は、炎症性の皮膚疾患が疑われます。
ストレスや栄養の問題
ストレスや偏った栄養バランスも被毛の健康に影響します。
過度なシャンプーや急な環境の変化が引き金になることもあるため注意が必要です。
脱毛の診断には何をするの?
ポメラニアンの脱毛の原因は多岐にわたります。
動物病院では原因を特定するために次のような検査を行います。
- 皮膚の状態の観察(フケ、赤み、炎症の有無など)
- 皮膚検査(マラセチア、細菌、ダニの有無)
- 血液検査(ホルモンの病気のチェック)
- ホルモン刺激試験(必要に応じて)
- 経過観察や画像記録(脱毛の進行具合を確認)
病歴や生活環境の聞き取りも重要な診断材料になるため、診察で詳しく話せるようにメモなどをとっていくと良いでしょう。
治療方法は原因によって異なります
脱毛の原因によって治療は大きく変わります。
毛周期停止(アロペシアX)
毛周期停止が原因の場合には、内服薬やホルモンバランスの調整剤、去勢手術などが行われることがあります。
ホルモンバランスの調整剤は副作用が出ることもあるため、注意が必要です。
副作用の少ない治療方法としてサプリメントによる治療もあります。
サプリメントは効果に個体差があり、治療に時間がかかることがありますが、比較的安全に治療を続けることが可能です。
どの治療方法を選択するかはよく獣医師と相談しましょう。
治療だけではなく、ご家庭でのケアとして皮膚の保湿や刺激を避けるスキンケアも効果があることがあります。
内分泌疾患
内分泌疾患が原因の場合には、甲状腺ホルモン剤や副腎機能を抑える薬の投与が必要になります。
治療には継続的な内服と定期的な血液検査が重要です。
皮膚炎やアレルギー
原因に応じた抗菌薬や抗真菌薬、抗ヒスタミン薬、食事療法などを組み合わせて治療を行います。
栄養・ストレスが原因の場合
栄養やストレスが原因の場合は、フードの見直しや生活環境の改善を行います。
サプリメントで皮膚の健康をサポートするケースもあります。
ご家庭でできるケアと注意点
ポメラニアンが脱毛している時に、ご家庭でできることはあるのでしょうか?
例えば、
- 日常的に被毛の状態を観察する
- ブラッシングで毛玉や皮膚トラブルを予防する
- シャンプーのしすぎに注意し、低刺激の製品を選ぶ
- 異常に気づいたら早めに動物病院を受診する
といったケアが重要になります。
特に毛周期停止は長期間にわたって経過をみることが多いです。
脱毛がある場合には、見た目だけで自己判断せず、専門的な評価を受けることが重要です。
まとめ
ポメラニアンの脱毛は、見た目の問題だけでなく、内科的な病気のサインであることもあります。
毛が薄くなった、毛並みが悪くなったなどの変化を感じたら、早めに動物病院で相談しましょう。
当院では、皮膚の専門的な診療を行っており、ポメラニアン特有の脱毛にも対応しています。
どんな小さな変化でも、気になることがあればお気軽にご相談ください。
松井山手・八幡・枚方・長尾の動物病院
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