高齢の女の子はご用心
2015年10月17日カテゴリ|ブログ
こんにちは。
松井山手動物病院です。
開院当初が嘘のように最近は晴れてますね。
受付にいて良い天気の外を眺めていると、病院を飛び出してお出かけしたい衝動に駆られる今日この頃です。
実際は状態の悪い子が入院していて、病院に泊まり込みをするくらいだったのですが。。。
その状態の悪い子は「子宮蓄膿症」という病気でした。
中高齢の避妊をしていないワンちゃんに多い病気で、10歳までの間に避妊手術をしていないワンちゃんの23~24%が発症するというデータがあります。 子宮の中に膿がたまり、放っておくと死に至る病気です。
多くの子は手術で膿がたまってしまった子宮を摘出してあげれば、軽快してくれる場合が多いのですが、中には細菌の毒素に腎臓が障害され急性腎不全を起こしたり、敗血症、不整脈により亡くなってしまう場合もあります。
今回の子は、子宮蓄膿症に伴い重度の貧血、急性腎不全、脱水、重度の電解質異常を起こしていました。
到底全身麻酔をかけれる状況ではなかったため、オーナー様に説明の上、入院とし静脈点滴・輸血を行い、まずは状態を少しでも改善させるところからのスタートでした。
輸血前はぐったりと横たわり、歯茎の色もだいぶ白かったのが、輸血後は少し顔を上げれるくらいになり、歯茎の色もだいぶピンク色になりました。
翌日、血液の状態がだいぶ改善してくれていたので手術実施です。
*少々グロテスクな写真がありますので、ご覧になられるときはご注意ください。
手術中の写真です。
両方の卵巣、子宮を体腔外にだしています。
子宮はパンパンに膿で膨らんでいます。
この時に、雑に子宮を扱うと簡単に破けてしまいお腹の中に膿がまき散らかされてしまうので注意が必要です!
摘出した卵巣と子宮。 中は血膿でいっぱいでした。
その血膿を顕微鏡で見ると、、、、
少しわかりづらいですが赤い矢印が細菌、黒い矢印が免疫細胞が細菌を食べてやっつけているところです。
ちゃんとこの細菌に効いてくれる抗生物質もあり、幸いにも退院することができました(^^)
ワンちゃんは人と違い、一生生理が来ます。
つまり、高齢になればなるほど子宮蓄膿症は気を付けなければなりません。
子宮蓄膿症も陰部から膿が出るパターンと出ないパターンがあり、出ないパターンはだんだん元気食欲がなくなってくるという老衰のように見えてしまうこともあります。
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