縫合糸
2016年06月11日カテゴリ|ブログ
こんにちは。
松井山手動物病院です。
とうとう梅雨入りしましたね。
自分的には雨はイヤなので、この時期はげんなりします(*_*)
ジメジメとしてなおかつ診察が暇!笑
やはり、雨の日は自分もそうですが外に出るのは億劫ですよね(^^;
さてさて、前回はだいぶ愚痴になってしまいましたが、今回は手術の時に使う『糸』についてお話しをしようかと。
手術の時には切った皮膚を縫合したり、血管を結紮したりするのに『縫合糸』を使います。
この縫合糸、色んな種類があるんです。
大きく分けると
・いずれ体に吸収されてなくなってしまう糸(吸収糸)
・体に吸収されずにずっと残ったままの糸(非吸収糸)
さらに、その糸の素材によって様々な種類が存在します。
手術法やどこに使うのかによって、使う糸の種類を選ぶわけです。
もちろん、その糸にもお金がかかります。
安い糸は1本数十円、高い糸は1本数千円。。。。。。
それを何本も使うんです(^^;
安い糸なら大した金額ではないですが、高い糸だと、、、、、、(*´Д`)
よく同じ手術でも、すごく安い病院もあればそこそこかかってくる病院もあります。
全てがそうではないですが、安い糸を使用してるため費用が抑えられている場合があります。
それで何も不具合が出なければ良いのですが、、、、、、
先日、当院で縫合糸が原因で問題が引き起こされていた子が来院されました。
他院で若いときに鼠径ヘルニアの手術をしたミニチュアダックスさん。
症状は、一番下のおっぱいのところにしこりが出来ては治ってを繰り返しているとのこと。
ミニチュアダックスは縫合糸に反応して肉芽腫ができる好発犬種です。
再発を繰り返していたため、その病気を疑い原因を精査してみると。。。。。
出てきました。
指先に見える白い塊が糸でそこからしこりが伸びています。
やはり糸が原因。
そして、使われていた糸は『絹糸』でした。
ちなみに1本数十円です(^^;
この絹糸、昔はよく使用されていました。
が、この絹糸により肉芽腫が良く起こってしまうことが分かり、最近ではほぼ使用されていません。
今回は内臓には影響がありませんでしたが、絹糸で避妊手術をして、反応性肉芽腫が尿管を巻き込んでしまいおしっこが出なくなったという子の話も聞いたことがあります。
そうなると命にもかかわってきます(>_<)
縫合糸は体にとって『異物』なので、吸収糸であっても反応性肉芽腫ができる可能性があります。
ただし、絹糸と比べると起こる可能性はすごく少ないんです。
ちなみに当院では絹糸は使用せず、なるべく反応性肉芽腫が起こりにくい糸を選んで使用しています(^^)/
過去にした手術の場所にしこりが出来ては治ってを繰り返すことがもしあれば、お気軽にご相談ください☆
些細な相談もいつでもお待ちしています♪
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