先天性心疾患(PDA)
2022年06月10日カテゴリ|お知らせ
こんにちは。
院長の奥田です。
暑くなってきましたね!
ビールがさらに美味しく感じる今日この頃です🍺笑
全然更新していなかったので、久々に。。。(;・∀・)
今回お話をするのは先天性の心疾患です。
多くの先天性心疾患は聴診で特徴的な心雑音が聞こえます。
そのため、ペットショップで販売される前に獣医師の診察により見つけ出されることが多く、あまり目にかかることはありません。
Cちゃんは生後3か月の♂のミニチュアダックスの子で、混合ワクチンの接種で初めて来院されました。
見た目はいたって元気で、食欲もしっかりありました。
が、聴診を行うと、明らかにおかしい雑音が。。。。
年齢と特徴的な心雑音から、ある病気を疑いました。
その病気であるのかを確かめるために検査へ進むことに!
心臓の状態は一般的な血液検査では、ほとんど評価をすることができません。
そのため、胸部レントゲンでサイズや形を、心エコ―検査で動きや血液の速さ、流れ方を評価します。
さて、実際に見てみると、、、
胸部レントゲンでは、やや拡大した心臓が。
心エコー検査では、本来あるはずのない血流が確認されました。
↓青と黄色が混じっている部分がおかしな血流です。
これらの検査結果より、この子の病気が確定しました。
『動脈管開存症(PDA)』と呼ばれる病気で、本来は閉じるはずの動脈管(肺動脈と大動脈を結ぶ血管)が生後も開いたままになっているため、肺動脈に流れる血液量が増え、心臓に負担がかかったり肺高血圧症を引き起こしたりします。
先天性の血管奇形で進行すると手術が不適応になりますが、進行する前であれば手術によって完治が可能です。
なので、早期発見早期治療がカギになります!
手術の方法は、いたってシンプル!
『開いたままになっている動脈管を閉じるだけ。』
まあ、言葉にすると簡単なのですが、、、
実際は非常に気を使います。
なんせ、その動脈管を損傷すると失血死の可能性がある。。。。
*以下に手術中の写真があります。
閉じ方としては
1.カテーテルインターベンション:血管の中を通じてコイルを入れ塞ぐ。
2.開胸して、直接糸で結紮。
になりますが、カテーテルインターベンションは2次診療施設のさらに一部でしか行われていません((+_+))
そのため、開胸して、直接糸で結紮する方法で手術を行いました。
手術中の写真です。
分かりにくいですが糸が通っている部分が動脈管になります。
その動脈管を、糸で結紮し閉じます。
手術は無事に終わり、心雑音も聞こえなくなりました(*^^)v
心エコ―検査でも、おかしな血流は消失!
結紮した糸が緩み、再疎通する可能性はわずかにありますが、今のところその様子は認められていません。
定期的にチェックしていくことになりますが、問題なく過ごしてくれるはずです(^^)/
大きな手術に耐えて頑張ったね、Cちゃん!(*´▽`*)
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