急に歩けなくなりました!!
2017年03月24日カテゴリ|ブログ
松井山手動物病院です。
日中はだいぶ暖かいのに、朝と夜がまだまだ寒い。。。。
早く暖房のいらない時期になってほしいものです((+_+))
さて、今回はあるダックスちゃんのお話。
その子は、後ろ足を洗っていたら急にキャンと鳴いて、そこから後ろ足の動きがおかしいと来院されました。
診察室で歩かせてみると、腰砕けにはなっていますが何とか歩けている状態。。。。
真っ先にある病気が頭に浮かびます。
その病気は、『椎間板ヘルニア』!!
ミニチュアダックス、コーギー、ビーグルに多く発症し、最近ではトイプードルの発症も増えています。
椎間板ヘルニアはタイプが2種類あるのですが、どちらにも共通することが神経が圧迫をされて痛みや麻痺と言った症状が出ること。
犬種や症状などから椎間板ヘルニアを疑うことは比較的簡単なのですが、確定診断にはCT検査やMRI検査が必要になってきます。
また、椎間板ヘルニアにはグレードがあり
グレードⅠ:痛みのみで神経異常は認められない。
グレードⅡ:ふらつきが認められるが歩行可能。または、繰り返し起こる痛み。
グレードⅢ:歩行不可。後ろ足は動かせる。
グレードⅣ:歩行不可で後ろ足も動かせない。痛みの感覚はある。
グレードⅤ:歩行不可で後ろ足も動かせない。痛みの感覚もない。
各グレードでの予後(歩けるようになるのか)も異なってきます。
来院した子はグレードⅡだったので、まずは内科治療を試みました。
内科治療とありますが、神経を圧迫をしている原因を取るようなお薬は存在しないため、一番のお薬は『安静』になります!
ここで言う安静とは、ケージレストと言って横になれるくらいのスペースでじっとしていてもらうことを指します。
自由に動き回れるのは安静ではありません!!
安静がなにより大切で、痛みを緩和するために鎮痛薬を使います。
鎮痛薬も、痛みを緩和するだけで神経を圧迫をしている原因を治療しているのではありません(>_<)
安静を指示し、鎮痛薬を使って、翌日にまた来てもらうと。。。。。
今度は歩くことも、足を自分で動かすこともできなくなっていました(;´Д`)
なんとか後ろ足の痛みの感覚はあったため、グレードⅣに進行と言うことになります(T_T)
神経が圧迫される衝撃により、神経自体も炎症を起こし腫れていきます。
そのため、腫れていくことでより圧迫がひどくなり、時間とともに重症化してしまうこともあるんです。
症状が進行し、グレードⅣになったためオーナー様と相談し、確定診断のためにMRI検査を行いました。
結果はやはり椎間板ヘルニア。
根本的な原因である圧迫している物質を取り除くために手術を行いました。
これが圧迫していた椎間板物質。
手術は無事に終わったものの、椎間板ヘルニアは手術をしてそれで終わりではありません!
そこからはリハビリがスタートします(>_<)
手術後しばらくは、しっぽも後ろ足も動かせない状態でしたが、抜糸の時にはしっぽが振れるようになり、そこから少しずつ後ろ足を動かすことができるようになってきました(^^)/
今ではふらつきながらも、自分で立ち、歩けるようになっています(*´▽`*)
まだこれからもリハビリは続きますが、力を合わせて頑張っていこうと思います(^^)/
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